かじ)” の例文
次第次第に霞が浦の水の上に響いて行く時は、わかさぎを漁して戻る島のあらも身震いしてかじをとどめた。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
かじを引き舟をぐっと進める音のやうに、火の矢が唸り飛ぶやうに、人々が叫びどたんばたんするやうに、兜にやいばが鳴るやうに、殺されたものが海中にぶち落ちる音のやうに響きました。
父八雲を語る (新字新仮名) / 稲垣巌(著)