“かぢ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鍛冶16.9%
15.7%
14.5%
9.6%
9.6%
6.0%
加治3.6%
3.6%
3.6%
3.6%
加持2.4%
鍛工2.4%
徒士1.2%
1.2%
舵機1.2%
1.2%
轅棒1.2%
1.2%
1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちよつとの間、鍛冶かぢ屋の前に立つてゐた。いつもは鍛冶屋の仕事は、いつまで見てゐても面白いのだ。しかし今日はそれもつまらなく見える。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
それにさいはひに追手の夕風が吹いた。船頭は帆をげて、かぢをギイと鳴らして、暢気のんきに煙草をふかした。誰の心も船のやうに早く東京に向つてせて居た。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)
くるまをがら/\と門前迄乗り付けて、此所こゝだ/\とかぢ棒をおろさした声はたしかに三年前わかれた時そつくりである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
事実に於て世界の思潮を見越みこす事に鋭敏ですから、時にはかぢを取る為に馬鹿げた干渉もする様ですが、概して温健な推移ならば寛大に見て居る風がありますので
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それに君如何どうだ、細君は殆んど僕等の喰ひあましの胡蘿蔔にんじん牛蒡ごぼうにもありつかずに平素しよつちう漬物ばかりをかぢつてる、一片ひときれだつて亭主の分前わけまへに預つたことはないよ。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
『お嬢様ぢやうさあ、お嬢様とこのお客様を乗せて来ただあ。』と、車夫の元吉は高い声で呼びかけ乍らかぢを止めて
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
加治かぢ先生がすぐ来て下すつたわ……」
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
いはん金薄きんぱく半ば剥げたる大窓のけづらざる板もて圍まれたるありて、大廈の一部まことに朽敗きうはいになん/\としたるをや。既にして梵鐘ぼんしようは聲ををさめて、かぢの水を撃つ音より外、何の響をも聞かずなりぬ。
かぢとりて兵船の先に其座を占むるもの
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
しばらくして、もうえたらうと一つ取出とりだしてかぢつてみました。かたい。まるでいしのやうです。もすこしたつて、また取出とりだしてみました。矢張やつぱかたい。いくらてもいしのやうでべられません。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
家族かぞく一統いつとう加持かぢ祈祷きたうよ、とあをくなつてさわいだが、わたしない其主人そのしゆじんたんすわつていさゝかもさわがない。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たとひジョーヴェ終りの日にわが撃たれたる鋭き電光いなづまを怒れる彼にとらせし鍛工かぢを疲らせ 五二—五四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
身元みもと長谷部某はせべなにがし出入でいりの徒士かぢの、たしか二番目ばんめむすめだったかとおぼえてります。
たみ作業なりはひをたのしむあまりに、春は花のもとやすらひ、秋は錦の林をたづね、しらぬ火の筑紫路つくしぢもしらではとかぢまくらする人の、富士筑波の嶺々みねみねを心にしむるぞそぞろなるかな。
ひろやうでもせまいのは滊船きせん航路かうろで、千島艦ちしまかんとラーヴエンナがう事件じけん實例じつれいまでもなく、すこしく舵機かぢ取方とりかたあやまつても、屡々しば/\驚怖きやうふすべき衝突しようとつかもすのに、底事なにごとぞ、あやしふね海蛇丸かいだまる
萬世橋よろづよばしまゐりましたがおたく何方どちらかぢひかへてたゝず車夫しやふ車上しやじやうひとこゑひくゝ鍋町なべちやうまでとたゞ一言ひとこと車夫しやふきもへずちからめていま一勢いつせいいだしぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
轅棒かぢをトンとろされても、あの東京とうきやう式台しきだいひく下駄げたではられない。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
梨枝子はおどかしたが、弘はいい気持で、林檎を皮ごとかぢつてしまひ、腹ができたところで、林の奥へ探険にでかけた。
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
五つの指のかぢけては
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)