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楫
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かぢ
ふりがな文庫
“
楫
(
かぢ
)” の例文
〔譯〕凡そ人事を
區處
(
くしよ
)
するには、當さに先づ其の
結局
(
けつきよく
)
の處を
慮
(
おもんぱ
)
かりて、後に手を下すべし。
楫
(
かぢ
)
無きの舟は
行
(
や
)
る
勿
(
なか
)
れ、
的
(
まと
)
無きの
箭
(
や
)
は
發
(
はな
)
つ勿れ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
それに
幸
(
さいはひ
)
に追手の夕風が吹いた。船頭は帆を
揚
(
あ
)
げて、
楫
(
かぢ
)
をギイと鳴らして、
暢気
(
のんき
)
に煙草をふかした。誰の心も船のやうに早く東京に向つて
馳
(
は
)
せて居た。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
こゝに
希有
(
けう
)
な
事
(
こと
)
があつた。
宿
(
やど
)
にかへりがけに、
客
(
きやく
)
を
乘
(
の
)
せた
俥
(
くるま
)
を
見
(
み
)
ると、
二臺三臺
(
にだいさんだい
)
、
俥夫
(
くるまや
)
が
揃
(
そろ
)
つて
手
(
て
)
に
手
(
て
)
に
鐵棒
(
かなぼう
)
を
一條
(
ひとすぢ
)
づゝ
提
(
さ
)
げて、
片手
(
かたて
)
で
楫
(
かぢ
)
を
壓
(
お
)
すのであつた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
口語の廣く用ゐられて來るやうなものを見ては之れをぽつ/\引上げて假名遣に入れる。さう云ふやうに
楫
(
かぢ
)
を取つて行くのが一番好い手段ではあるまいかと思ふのであります。
仮名遣意見
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
宇治川
(
うぢがは
)
を
船
(
ふね
)
渡
(
わた
)
せをと
喚
(
よ
)
ばへども
聞
(
きこ
)
えざるらし
楫
(
かぢ
)
の
音
(
と
)
もせず 〔巻七・一一三八〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
或はまた山に
九曲
(
まがりくねり
)
あるには、
件
(
くだん
)
のごとくに
縛
(
くゝ
)
したる
薪
(
たきゞ
)
の
輴
(
そり
)
に
乗
(
の
)
り、
片足
(
かたあし
)
をあそばせて是にて
楫
(
かぢ
)
をとり、船を
走
(
はしら
)
すがごとくして
難所
(
なんじよ
)
を
除
(
よけ
)
て数百丈の
麓
(
ふもと
)
にくだる、一ツも
過
(
あやまつ
)
ことなし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その
古
(
かみ
)
、神功皇后
韓国
(
からくに
)
をことむけたまひ、新羅の王が献りし貢の宝を積みのせたる八十艘の
楫
(
かぢ
)
を連ねてこの海に浮べるを憶ひおこし、はしなくも離れ小島の秋かぜに荻の花の吹きちるを
詠
(
なが
)
むる身は
松浦あがた
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
お
常
(
つね
)
も
側
(
そば
)
から
種々
(
いろ/\
)
口車
(
くちぐるま
)
の
楫
(
かぢ
)
を取しかば
又々
(
また/\
)
加賀屋へ
到
(
いた
)
り
段々
(
だん/\
)
の
仔細
(
しさい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
楫
(
かぢ
)
の枕のよき友よ心
閑
(
のど
)
けき
飛鳥
(
ひてう
)
かな
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
が、はずんで
下
(
お
)
りて
一淀
(
ひとよど
)
みして
𢌞
(
まは
)
る
處
(
ところ
)
から、
少
(
すこ
)
し
勢
(
いきほひ
)
が
鈍
(
にぶ
)
くなる。
知
(
し
)
らずや、
仲町
(
なかちやう
)
で
車夫
(
わかいしゆ
)
が、
小當
(
こあた
)
りに
當
(
あた
)
るのである。「
澄
(
す
)
まねえがね、
旦那
(
だんな
)
。」
甚
(
はなはだ
)
しきは
楫
(
かぢ
)
を
留
(
と
)
める。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
或はまた山に
九曲
(
まがりくねり
)
あるには、
件
(
くだん
)
のごとくに
縛
(
くゝ
)
したる
薪
(
たきゞ
)
の
輴
(
そり
)
に
乗
(
の
)
り、
片足
(
かたあし
)
をあそばせて是にて
楫
(
かぢ
)
をとり、船を
走
(
はしら
)
すがごとくして
難所
(
なんじよ
)
を
除
(
よけ
)
て数百丈の
麓
(
ふもと
)
にくだる、一ツも
過
(
あやまつ
)
ことなし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「旅にして
物恋
(
ものこほ
)
しきに山下の
赤
(
あけ
)
のそほ船沖に
榜
(
こ
)
ぐ見ゆ」(巻三・二七〇)は黒人作、「堀江より
水脈
(
みを
)
さかのぼる
楫
(
かぢ
)
の音の間なくぞ奈良は恋しかりける」(巻二十・四四六一)は家持作である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
楫
(
かぢ
)
の枕のよき友よ心
閑
(
のど
)
けき
飛鳥
(
ひちよう
)
かな
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「へい、お
待
(
ま
)
ちなさいまし、
石磈
(
いしころ
)
で
齒
(
は
)
が
軋
(
きし
)
みますで。」と
蹲
(
つくば
)
つて、ぐい、と
楫
(
かぢ
)
を
壓
(
おさ
)
へる。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
楫
(
かぢ
)
の
音
(
と
)
もうつらうつらに
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
楫
漢検1級
部首:⽊
13画
“楫”を含む語句
楫取
楫棒
舟楫
楫子
楫取魚彦
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櫓楫
楫音
艪楫
船楫
矢島楫子刀自
矢島楫子
真楫
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水夫楫主
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楫棹
楫屋
...