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梶
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かぢ
ふりがな文庫
“
梶
(
かぢ
)” の例文
八五郎が
刷毛
(
はけ
)
先で
梶
(
かぢ
)
を取つて、明神下の家に乘り込んで來たのは、月が圓くなつた頃、ある夜の
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎでした。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
車
(
くるま
)
をがら/\と門前迄乗り付けて、
此所
(
こゝ
)
だ/\と
梶
(
かぢ
)
棒を
下
(
おろ
)
さした声は
慥
(
たし
)
かに三年前
分
(
わか
)
れた時そつくりである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
堺の大浜に隠居して、三人の孫を育ててゐるお
梶
(
かぢ
)
が、三歳になる
季
(
すゑ
)
の孫を負つて入つて来た。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
着飾
(
きかざ
)
つた若い花見の男女を
載
(
の
)
せて
勢
(
いきほひ
)
よく走る車の
間
(
あひだ
)
をば、お
豊
(
とよ
)
を
載
(
の
)
せた老車夫は
梶
(
かぢ
)
を
振
(
ふ
)
りながらよた/\歩いて橋を渡るや
否
(
いな
)
や
桜花
(
あうくわ
)
の
賑
(
にぎは
)
ひを
外
(
よそ
)
に、
直
(
す
)
ぐと
中
(
なか
)
の
郷
(
がう
)
へ
曲
(
まが
)
つて
業平橋
(
なりひらばし
)
へ出ると
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
現
(
げん
)
に
其處
(
そこ
)
を
漕
(
こ
)
いだ
我
(
わ
)
が
友
(
とも
)
の
語
(
かた
)
れるは、
水深
(
すゐしん
)
、
實
(
じつ
)
に
一千二百尺
(
いつせんにひやくしやく
)
といふとともに、
青黒
(
あをぐろ
)
き
水
(
みづ
)
は
漆
(
うるし
)
と
成
(
な
)
つて、
梶
(
かぢ
)
は
辷
(
すべ
)
り
櫓
(
ろ
)
は
膠
(
にかは
)
し、ねば/\と
捲
(
ま
)
かるゝ
心地
(
こゝち
)
して、
船
(
ふね
)
は
其
(
そ
)
のまゝに
人
(
ひと
)
の
生
(
は
)
えた
巖
(
いは
)
に
化
(
くわ
)
しさうで
十和田の夏霧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
見忘れたか汝等能く聞け
身延山
(
みのぶさん
)
の
會式
(
ゑしき
)
戻
(
もど
)
り罪作りとは思へども見るに忍びぬ此場の
時宜
(
しぎ
)
命
(
いのち
)
は
暫時
(
ざんじ
)
助
(
たす
)
け船七十五里の
遠江灘
(
とほたふみなだ
)
天窓
(
あたま
)
の水先押
曲
(
まげ
)
て尻を十
分
(
ぶん
)
卷
(
まく
)
り
帆
(
ほ
)
に早く
湊
(
みなと
)
へ
逃
(
にげ
)
込て命ばかりの掛り船ドリヤ
梶
(
かぢ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
祇園会
(
ぎをんゑ
)
や僧の訪ひよる
梶
(
かぢ
)
がもと
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「彌造を二つこせえて、顎で
梶
(
かぢ
)
を取りながら、町内中の良い新造をおそつて歩く八五郎の方が餘つ程意氣なんだが——」
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
勅使は此家に
梶
(
かぢ
)
と申女
居
(
を
)
る由此所へ
出
(
いだ
)
しませいと云るゝに
彌々
(
いよ/\
)
仰天
(
ぎやうてん
)
しながら何事やらんと
漸々
(
やう/\
)
連出しかば 勅使は其方は
冥加
(
みやうが
)
に
叶
(
かな
)
ひし者
哉
(
かな
)
汝が
詠歌
(
えいか
)
殿下
(
でんか
)
へ相聞え其上
當吟
(
たうこん
)
の
叡覽
(
えいらん
)
に
備
(
そな
)
へられし所
名歌
(
めいか
)
なりとて仙歌へ御
加
(
くは
)
へ遊ばされ
猶
(
なほ
)
又
叡感
(
えいかん
)
の餘り 御
宸筆
(
しんひつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
尤も合掌した手を膝と膝との間に挾んで、肩と
顎
(
あご
)
で
梶
(
かぢ
)
を取り乍ら話すのですから、あまりお品は良くありません。
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
妙に人馴れた眼、少し
綻
(
ほころ
)
びた唇、クネクネと肩で
梶
(
かぢ
)
を取つて、ニツと微笑したお菊は、
椎茸髱
(
しひたけたぼ
)
と、
古文眞寶
(
こぶんしんぱう
)
な顏を見馴れた土佐守の眼には、驚く可き魅力でした。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
甚だ氣の進まない樣子ですが、此處から歸るわけにも行かず、トボトボと顎で
梶
(
かぢ
)
を取ります。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三日目の朝、もう一度八五郎が、髷節で
梶
(
かぢ
)
を取り乍ら飛び込んで來ました。
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“梶(カジノキ)”の解説
カジノキ(梶の木、学名: Broussonetia papyrifera)は、クワ科コウゾ属の落葉高木。単にカジ(梶)またはコウ(構)ともよばれる。枝の繊維は和紙の原料として用いられる。
(出典:Wikipedia)
梶
漢検準1級
部首:⽊
11画
“梶”を含む語句
梶棒
梶原
梶川
梶田楼
梶井
梶取
梶原平三景時
梶原景季
梶派
梶平
梶川一秀
梶座
梶木町
梶本枯泉
梶枕
梶浦兵七郎
梶王
梶田隼人
梶町
梶葉
...