“底事”の読み方と例文
読み方割合
なにごと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぎ澄したるつるぎよりも寒き光の、いつもながらうぶ毛の末をも照すよと思ううちに——底事なにごとぞ!音なくてと曇るは霧か、鏡のおもては巨人の息をまともに浴びたる如く光を失う。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひろやうでもせまいのは滊船きせん航路かうろで、千島艦ちしまかんとラーヴエンナがう事件じけん實例じつれいまでもなく、すこしく舵機かぢ取方とりかたあやまつても、屡々しば/\驚怖きやうふすべき衝突しようとつかもすのに、底事なにごとぞ、あやしふね海蛇丸かいだまる
除夕じょせきの作に「家家家裏合家歓。児女団欒笑語親。底事寄居蕭寺客。梅花併影只三人。」〔家家家裏合家ノ歓/児女団欒笑語ノ親/底事なにごとゾ寄居ス蕭寺ノ客/梅花影ヲあわセテ只三人ノミ〕
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)