かぢ)” の例文
往手ゆくてのかたに稍〻大なる一窟あり。されど若し舟にさをさしてこれに入らんとせば、帆をおろし頭を屈するも、猶或は難からんか。かぢ取りの年わかき男のいふやう。これ魔窟なり。
かぢとりて兵船の先に其座を占むるもの
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
かぢするどやいばなり
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
筋骨逞ましき男六人うごかせり。畫にしても見まほしき美少年一人かぢの傍にうづくまりたるが、名を問へばアルフオンソオと答ふ。水は緑いろにしてとほり、硝子ガラスもて張りたる如し。