“往手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆくて80.0%
いくて20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時、往手ゆくての林の中から、いかにもあわただしく転がり出して、こけつまろびつ、こちらへ向って走りきたる二つの物体がありました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
友は往手ゆくてを指ざしていふやう。かしこなるが我が懷かしききたなきイトリの小都會なり。汝は故里の我が居る町をいかなる處とかおもへる。
こう言って弥生が往手いくてをふさぐと、蜘蛛はすこしためらったのち、すぐ右へ抜けようとする。弥生が右へ手をやる。蜘蛛は左に出ようとあせる。弥生の手が先をおさえる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)