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往手
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ゆくて
ふりがな文庫
“
往手
(
ゆくて
)” の例文
その時、
往手
(
ゆくて
)
の林の中から、いかにもあわただしく転がり出して、こけつまろびつ、こちらへ向って走り
来
(
きた
)
る二つの物体がありました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
友は
往手
(
ゆくて
)
を指ざしていふやう。かしこなるが我が懷かしき
穢
(
きたな
)
きイトリの小都會なり。汝は故里の我が居る町をいかなる處とかおもへる。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そこへフランスの兵が来掛かった。その連れて来た通弁に免状の有無を問わせると、持っていない。フランスの兵は小人数なので、土佐の兵に
往手
(
ゆくて
)
を
遮
(
さえぎ
)
られて、大阪へ引き返した。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
と、
殿
(
しんがり
)
として後ろにやや離れていたお角さんを別にして、一行の者が
往手
(
ゆくて
)
をのぞんで立ちすくんでしまいました。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
往手
(
ゆくて
)
のかたに稍〻大なる一窟あり。されど若し舟に
棹
(
さを
)
さしてこれに入らんとせば、帆を
卸
(
おろ
)
し頭を屈するも、猶或は難からんか。
柁
(
かぢ
)
取りの年
少
(
わか
)
き男のいふやう。これ魔窟なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
往手
(
ゆくて
)
と左右の草原から、沼、橋、森蔭をまで、隈なく見透さんとした身構えで歩んでいるのであります。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
往手
(
ゆくて
)
は枯枝や、
蜘蛛
(
くも
)
の巣、それに足許に竹の切口や、木の株や、凹みなどもあって、危ない。ほとんど昼なお暗い、
八幡
(
やわた
)
知らずの藪のようになって、さしものお婆さんも少しひるんでいる。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
往
常用漢字
小5
部首:⼻
8画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“往”で始まる語句
往
往来
往々
往來
往時
往生
往昔
往還
往復
往古