“栲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たえ60.0%
たへ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旅憎は溷鼠染どぶねずみぞめと云っているたえの古いどろどろしたような単衣ひとえものを着て、かしらに白菅の笠を被り、首に頭陀袋をかけていた。
貧乏神物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
麻やたえを着ていた時代には、その扇は使わずともすぐに蒸発したのが、木綿もめんになってそれをほとんと不可能にしたのである。だから夏分は肌がいつもれている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「にぎ」は「にぎ」であり、「て」は「たへ」即ち梶で、「なごやかな梶布かじぬの」のことである。布帛であるが、こゝに梶紙の濫膓があつたと思へる。弊帛即ち「みてぐら」に白紙を用ゐ始めてから既に久しい。
和紙の教へ (新字旧仮名) / 柳宗悦(著)
かけあげなと言れてハイと答へなし勝手口かつてぐちより立出るは娘なる年齡としのころまだ十七か十八こうまつの常磐のいろふかき緑の髮は油氣あぶらけも拔れどぬけ天然てんねん美貌びばうは彌生の花にも増り又中秋なかあき新月にひづきにもおとらぬ程なる一個の佳人かじん身にはたへなる針目衣はりめぎぬ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)