“荒栲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あらたえ66.7%
あらたへ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つまりは木綿の採用によって、生活の味わいが知らず知らずの間にこまやかになって来たことは、かつて荒栲あらたえを着ていた我々にも、毛皮をかぶっていた西洋の人たちにも、一様であったのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この文章の間に絵がありますの、わたしの描いた絵を見せてあげたいけれど、口で言ってみますと、左の方に猟師の度九郎が炉へ焚火をしながら、ちぢみを売りに行く女房の荒栲あらたえを見返っておりますのよ。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ことには雪の降りうづみ、更に登らんよしなければしきりに悲しみもだえつつ、ここかしこ見まはせば、横の方に大洞おほあなありて、奥より出で来るもの見えたり、荒栲あらたへふたたび驚き怖れ
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
八海山はつかいざんのふもとなる雷村いかづちむらといふところに度九郎とよぶかりうどありけり、そのつまは荒栲あらたへとて、ふうふともうまれつき、貪慾邪慳どんよくじやけんかぎりもなくよからぬわざのみ働く故、近きあたりの村里に誰ありて
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)