荒栲あらたへ)” の例文
ことには雪の降りうづみ、更に登らんよしなければしきりに悲しみもだえつつ、ここかしこ見まはせば、横の方に大洞おほあなありて、奥より出で来るもの見えたり、荒栲あらたへふたたび驚き怖れ
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
八海山はつかいざんのふもとなる雷村いかづちむらといふところに度九郎とよぶかりうどありけり、そのつまは荒栲あらたへとて、ふうふともうまれつき、貪慾邪慳どんよくじやけんかぎりもなくよからぬわざのみ働く故、近きあたりの村里に誰ありて
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)