たへ)” の例文
「にぎ」は「にぎ」であり、「て」は「たへ」即ち梶で、「なごやかな梶布かじぬの」のことである。布帛であるが、こゝに梶紙の濫膓があつたと思へる。弊帛即ち「みてぐら」に白紙を用ゐ始めてから既に久しい。
和紙の教へ (新字旧仮名) / 柳宗悦(著)
かけあげなと言れてハイと答へなし勝手口かつてぐちより立出るは娘なる年齡としのころまだ十七か十八こうまつの常磐のいろふかき緑の髮は油氣あぶらけも拔れどぬけ天然てんねん美貌びばうは彌生の花にも増り又中秋なかあき新月にひづきにもおとらぬ程なる一個の佳人かじん身にはたへなる針目衣はりめぎぬ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)