トップ
>
浩然
>
こうぜん
ふりがな文庫
“
浩然
(
こうぜん
)” の例文
政談や
誹謗
(
ひぼう
)
はやらないと規定している。密会ではない、公然の会だからである。気も
浩然
(
こうぜん
)
と養おうという集まりだからである。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういう御難儀を遊ばしていらッしゃるんでげすから、港々にお
着
(
つき
)
遊ばしたときは
些
(
ちっ
)
とは
浩然
(
こうぜん
)
の気もお養いなさらずばお身体が続きますまい。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
思無邪
(
おもいよこしまなし
)
であり、
浩然
(
こうぜん
)
の気であり、
涅槃
(
ねはん
)
であり天国である。忙中に閑ある余裕の態度であり、死生の境に立って認識をあやまらない心持ちである。
俳諧の本質的概論
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
矢張り一緒に卒業した
従兄弟
(
いとこ
)
の寛一君と二人がかりで番頭共にお手本を示す立場だから骨が折れる。神経衰弱にでも
罹
(
かか
)
らなければ
浩然
(
こうぜん
)
の気は養えない。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
うちの小供があまり騒いで楽々昼寝の出来ない時や、あまり退屈で腹加減のよくない折などは、吾輩はいつでもここへ出て
浩然
(
こうぜん
)
の気を養うのが例である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
コレヨリ(治ヲ)請フ者日ニ多シ。居ルコト二、三年
頗
(
すこぶる
)
三径ノ資ヲ得タリ。
偶
(
たまたま
)
唐人ガ僧院ノ詩ヲ読ミ
帯雪松枝掛薜蘿
(
ゆきをおぶるのしょうしへいらをかく
)
トイフニ至ツテ
浩然
(
こうぜん
)
トシテ山林ノ志アリ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
恰
(
あたか
)
も
孟子
(
もうし
)
の云いし
浩然
(
こうぜん
)
の気に等しく、
之
(
これ
)
を説明すること
甚
(
はなは
)
だ
難
(
かた
)
しと雖も、人にして
苟
(
いやしく
)
もその気風品格の高尚なるものあるに非ざれば、才智
伎倆
(
ぎりょう
)
の
如何
(
いかん
)
に
拘
(
かか
)
わらず
〔気品の泉源、智徳の模範〕
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
男児たる者がしんそこ
浩然
(
こうぜん
)
の気をやしなえるというのはかの女性のごときを
措
(
お
)
いて他にはないだろうな。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
陣営でさえこの調子であったから、
浩然
(
こうぜん
)
の気を養うと称して、付近から遊女をかき集めて酒宴深更に及び、桃源の夢に耽っていた侍たちは、ほとんど半狂乱であった。
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
ほどよく
浩然
(
こうぜん
)
の気を養いあそばしつつ、お昼食は
三河島
(
みかわしま
)
村先の石川
日向守
(
ひゅうがのかみ
)
のお下屋敷、そこから川を越えて隅田村に渡り、大川筋を寺島村から水戸家のお下屋敷まで下って
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
剛勇、冷静、明智になるのだ、
孟子
(
もうし
)
の
所謂
(
いわゆる
)
浩然
(
こうぜん
)
の気はへそを讃美した言葉だ、へそだ、へそだ、へそだ、おまえは試験場で頭がぐらぐらしたらふところから手を入れてしずかにへそをなでろ
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
青瓢箪
(
あおびょうたん
)
のような顔をしている青年ばかりこしらえちゃ、学問ができて思想が高尚になったって、なんの役にもたたん、ちと若い者は
浩然
(
こうぜん
)
の気を養うぐらいの元気がなくっちゃいけませんなア
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ここに
浩然
(
こうぜん
)
たる元気のやり場を求めて、思いきり楽しもうとする人気そのものに、少しも害悪のないのを認め、働く人たちの嬉々として晴れ渡った顔を見ると、お松はこのお祭の前途を祝福して
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
浩然
(
こうぜん
)
の気を養おう」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「
浩然
(
こうぜん
)
の気を養うたい、あなた。どうですあなたがた。釣に行った事がありますか。面白いですよ釣は。大きな海の上を小舟で乗り廻わしてあるくのですからね」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
無住の山水に籍をおいて、武将生活を見きッてからの彼もすでに久しいものだが、
浩然
(
こうぜん
)
と笑えば、なおその笑いの底にさびたる戦場声のおもかげはどこやらにある。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それぞれの流儀に
浩然
(
こうぜん
)
の気を養うというのがその順序だったので、けれども右門はその他のすべての方面においては大々通であっても、この一郭ばかりはやや苦手でしたものでしたから
右門捕物帖:09 達磨を好く遊女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
精神
一度
(
ひとた
)
び定まるときは、その働きはただ人倫の区域のみに
止
(
とど
)
まらず、発しては社会交際の運動となり、言語応対の風采となり、
浩然
(
こうぜん
)
の
気
(
き
)
外に
溢
(
あふ
)
れて、身外の万物恐るるに足るものなし。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「舟遊びは
浩然
(
こうぜん
)
の気を養うからよろしい」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
したいな。わしが思わぬ
禍
(
わざわ
)
いに
遭
(
あ
)
って、洞白の
仮面
(
めん
)
をたずねることもあのままになっておるが、とにかく、
浩然
(
こうぜん
)
の気を養った上で、またいい分別もあろうというものだ
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉は
疾
(
と
)
く、安土の信長へ向って、こう早飛脚を立てていた。そして一面には、士気を疲らせないために、時折、軍馬を休め、
浩然
(
こうぜん
)
の気を養わせて、長期戦を期していた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久しぶりで、
横川勘平
(
よこかわかんぺい
)
は、
浩然
(
こうぜん
)
と、
無聊
(
ぶりょう
)
を慰められた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
利家は、片目を燭にしばだたいて、
浩然
(
こうぜん
)
と笑った。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうだ。狩猟にでも行って、
浩然
(
こうぜん
)
の気を養おう」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
浩
漢検準1級
部首:⽔
10画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“浩然”で始まる語句
浩然之気