鏗然こうぜん)” の例文
其の時不意に煖炉棚マントルピースの上の置時計がジーと蝉のように呟いたかと思うと、忽ち鏗然こうぜんと鳴ってキンコンケンと奇妙な音楽を奏で始めた。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
口中に臭気しゅうきあるをさとらず師の前に出でて稽古しけるに、春琴例のごとく三のいと鏗然こうぜんはじきてそのまま三味線を置き、顰蹙ひんしゅくして一語を発せず
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)