“鏗鏘”の読み方と例文
読み方割合
こうそう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人性の内底に鏗鏘こうそうの音を傾聴するところ、そこにみなぎる歓喜の声と共に詩は生まれ、芸術は育つ。かるがゆえにわれらは内面生活の貧弱と主観の空疎とを恐れねばならない。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
ここに花山かざんといへる盲目の俳士あり。望一もういちの流れをむとにはあらでただ発句ほくをなんでける。やうやうにこのわざを試みてより半年に足らぬほどに、その声鏗鏘こうそうとして聞く者耳をそばだつ。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
わしは白昼はくちゅうに見たのだから。それは無数の霊の空中に格闘かくとうする恐ろしい光景であった。わしは武器の鏗鏘こうそうとして鳴る音を空中に聞いた。そのあるものは為義ためよしのようであった。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)