“こうそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
宏壮28.9%
倥偬7.9%
高燥6.6%
宏荘5.3%
抗争3.9%
鏗鏘3.9%
黄巣3.9%
向僧2.6%
広宗2.6%
構想2.6%
江総2.6%
行装2.6%
骯髒2.6%
高僧2.6%
黄桑1.3%
広壮1.3%
庚宗1.3%
康荘1.3%
後送1.3%
慊叟1.3%
栲窓1.3%
硬相1.3%
紅槍1.3%
茭粽1.3%
荒草1.3%
藁葬1.3%
項荘1.3%
高宗1.3%
高爽1.3%
鴻爪1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宏壮こうそうな北陽館の前に出る。二階の渡り廊下の下の道路を裏へ抜けると、ここに驚くべき大洞可児合だいどうかにごうの壮観が眼下に大渦巻をまきあげる。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
兵馬倥偬こうそうの中に、武人として、伊勢神宮を修理したり、禁裡きんり築土ついじの荒れたのをなげいて、御料を献じたりしていた人に、信長の父信秀がある。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
都会としては割合に高燥こうそうな土地に、林の中とも言いたいほど樹木の多いところに、青木の新居を見つけた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
院の御殿は南に淀川、東に水無瀬川の水をひかえ、この二つの川の交わる一角にって何万坪という宏荘こうそうな庭園を擁していたにちがいない。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
相剋そうこくし、抗争こうそうしているいろいろの意思や、利害や、勢力を統合しなければならないからである。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
ここに花山かざんといへる盲目の俳士あり。望一もういちの流れをむとにはあらでただ発句ほくをなんでける。やうやうにこのわざを試みてより半年に足らぬほどに、その声鏗鏘こうそうとして聞く者耳をそばだつ。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
黄巣こうそう丈夫ますらおのかずにあらずと
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「一向僧こうそうですぞ、敵のまわし者にちがいありません」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後先生はどうしたかと、時おり、思い出すのでしたが、近頃うわさに聞けば、盧植先生は官に仕えて、中郎将ちゅうろうしょうに任ぜられ、今では勅令をうけて、遠く広宗こうそう(山東省)の野に戦っていると聞きます。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紇は後にちん武帝ぶていのために誅せられたが、彼は平素から江総こうそうと仲がよかった。江総は紇の子の聡明なるを愛して、常に自分の家に留めて置いたので、紇のほろびる時にもその子は難をまぬかれた。
それ以前にも三味線しゃみせんを肩に載せ、足駄あしだばきにねエさんかぶりなどという異様な行装こうそうで、春の野路のみちを渡り鳥のごとく、わめきつれてくる盲女の群があって、これも尋ねるとみな越後から来たとっていた。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
彼が平生へいぜい蓄積したる骯髒こうそう邁往まいおうの気、一時に沸発し、正に非常の事を為し、以て非常の功を立てんとす。ここにおいてか万里超海の鵬挙ほうきょは彼を促して、ついみずから禁ずるあたわざりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
するとインドの高僧こうそうが船のりにけてはるばる取返しにきたんだ。爺さんはすなおに返さなかったもんだから、あのように、えいッと刺し殺された
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いいえ、古くはございますが、日本でできたものでございましょう、めいに、嵯峨さがとありますゆえに。それに、唐琵琶は多く胴を花梨かりんでつくりますが、これは、日本の黄桑こうそうでございます」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ばちは四絃をね、黄桑こうそうの胴を恐ろしい力でたたいた。彼はもう芸以外に何ものも天地にないようにひたいに汗を光らしてくる。聞く人々も彼の芸の中にひきこまれて我にかえることができなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの広壮こうそうな建物という建物は一つとして影をとどめず、壁は、歯のぬけた歯茎はぐきのようになっていた。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
魯の叔孫豹しゅくそんひょうがまだ若かった頃、乱を避けて一時せいはしったことがある。みちに魯の北境庚宗こうそうの地で一美婦を見た。にわかにねんごろとなり、一夜を共に過して、さて翌朝別れて斉に入った。
牛人 (新字新仮名) / 中島敦(著)
大都の康荘こうそうは年々面目を新にするに反して窮巷屋後きゅうこうおくご湫路しゅうろは幾星霜を経るも依然として旧観をあらためず。これを人の生涯に観るもまたかくの如き
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
今の文学士小山内薫おさないかおるさんと画家岡田三郎助おかださぶろうすけさんの妻八千代やちよさんとは建の遺子である。矢島優善やすよしは弘前にとどまっていて、戦地から後送こうそうせられて来る負傷者を治療した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
先師慊叟こうそうカツテ予ニ語ツテ、吾京師および芳山ノ花ヲ歴覧シキ。然レドモ風趣ノ墨水ニ及ブモノナシト。まことニ然リ。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
喜多村栲窓こうそうもまたこの年十一月九日に歿した。栲窓は抽斎の歿した頃奥医師を罷めて大塚村おおつかむらに住んでいたが、明治七年十二月に卒中し、右半身ゆうはんしん不随になり、ここいたって終った。享年七十三である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そして青幇の中には軟相なんそう硬相こうそうとの二大別があって、軟相は更に架相かそう吃相きっそうとに分れて居る。この軟相というのは比較的罪の軽いもので、逮捕せられても死罪は免れる。
馬岱は、紅槍こうそうをひねって、それを迎え、戦うことしばし、敵の力量を察して
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
茭粽こうそう手に在り」云々の詩がある所以だ。塩瀬と云う菓子屋は、その頃からあったものであるらしい。
山崎合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
四谷よつやさめはし赤坂離宮あかさかりきゅうとの間に甲武鉄道こうぶてつどうの線路をさかいにして荒草こうそう萋々せいせいたる火避地ひよけちがある。
藁葬こうそうという悲しくも悲しき事を取行とりおこなわせ玉わんとて、なかの兄と二人してみずから遺骸いがいきて山麓さんろくに至りたまえるに、なわ絶えて又如何いかんともするあたわず
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「わははは、何を戸惑うて。——これ両人、きょうはいにしえ鴻門こうもんの会ではないぞ。いずくんぞ項荘こうそう項伯こうはくを用いんや、である。のう劉皇叔りゅうこうしゅく
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「書経に、高宗こうそうは服喪中の三年間口をきかなかった、とありますが、どういう意味でございましょうか。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
威儀おごそかにかれらの着席せるとき、正面の戸は再びひらきて、高爽こうそうの気を帯び、明秀のかたちそなえたる法官はあらわれたり。渠はその麗しきひげひねりつつ、従容しょうようとして検事の席に着きたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
関ヶ原役の後から、彼が、天涯漂泊てんがいひょうはくの一さすらいびとであったことは、疑う余地もないことといえる。しかしその間の足蹟は、まったく、雪上の鴻爪こうそうみたいなものである。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)