骯髒こうそう)” の例文
ダンテはいかにビヤトリスから奪ったことぞ。彼は一生の間ビヤトリスを浪費してなお余る程この愛人から奪っていたではないか。彼の生活は寂しかった。骯髒こうそうであった。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼が平生へいぜい蓄積したる骯髒こうそう邁往まいおうの気、一時に沸発し、正に非常の事を為し、以て非常の功を立てんとす。ここにおいてか万里超海の鵬挙ほうきょは彼を促して、ついみずから禁ずるあたわざりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)