“こしらえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
33.3%
扮装21.2%
服装6.1%
行装6.1%
服飾3.0%
作為3.0%
奩妝3.0%
打扮3.0%
扮粧3.0%
支度3.0%
装飾3.0%
設計3.0%
調理3.0%
身装3.0%
造作3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お前さん、いま結立ゆいたてと見える高島田の水のりそうなのに、対に照った鼈甲べっこう花笄はなこうがい花櫛はなぐし——このこしらえじゃあ、白襟に相違ねえ。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云うと、奥の方に腰を掛けて居た侍は、深い三度笠をかぶり、廻し合羽を着て、柄袋の掛った大小を差して、盲縞めくらじまの脚半に甲掛、草鞋という如何にも旅慣れた扮装こしらえ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
藍弁慶あいべんけいの長着に焦茶絞こげちゃしぼりの三尺という服装こしらえもその人らしくいなせだった。
紺足袋こんたび日勤草履にっきんぞうりと云う行装こしらえの立派なお武士、番太郎の店へ立ち
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お政は鼠微塵ねずみみじんの糸織の一ツ小袖に黒の唐繻子とうじゅすの丸帯、襦袢じゅばん半襟はんえりも黒縮緬ちりめんに金糸でパラリと縫のッた奴か何かで、まず気の利いた服飾こしらえ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
シカシ生憎あいにく故障も無かッたと見えて昇は一時頃に参ッた。今日は故意わざと日本服で、茶の糸織の一ツ小袖こそで黒七子くろななこの羽織、帯も何か乙なもので、相変らずりゅうとした服飾こしらえ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
しかも言説、行為をなした当人は、悪執拗わるあくどい努力や作為こしらえは一つもなく、ただ力が入っている。力が入っていながら行雲流水のような自由で自然の態度を備えている。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
南はいて新人に歓を求める場合を頭に描きなどして、厭な不吉な追憶を消そうとしたが消えなかった。そのうちに日が暮れかけた。後からきていると言った従者と奩妝こしらえは着かなかった。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
子持縞こもちじま布子ぬのこを着て、無地小倉の帯を締め、千住の河原の煙草入を提げ、不粋ぶすい打扮こしらえのようだが、もと江戸子えどっこだから何処どっか気が利いて居ります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこは懲々こり/″\だよと口の内で云って、こちらへおいでとあごで招いて居ると、やがて来のは同じ年配で、御召の大縞の上着に段通だんつう織の下着、鼠緞子どんすの帯を締め、芸子潰しに銀のあばれよりという扮粧こしらえ
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
そういわれてみると、博士はいつもとは違って白ワイシャツに白の半ズボンを穿いていた。恰度ちょうど、あのゆうべみた白服の男と同じ支度こしらえであったのだ。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
亭「これは少々装飾こしらえれて居りまする」
どっぷり沈んで、遠くで雨戸を繰る響、台所だいどこをぱたぱた二三度行交いする音を聞きながら、やがて洗い果ててまた浴びたが、湯の設計こしらえは、この邸に似ず古びていた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
美「あの旦那が元御用達で、旨い物は食べつけて居て、それでお内儀さんが元芸者で苦労して、方々の料理茶屋の物を食べて居るから、何うしてもなんだね調理こしらえは上手だよ」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おかしな身装こしらえでお客の積りで瀧の戸が音羽の手を曳いて、そッと遣手やりて部屋の前を通る。
「立派な造作こしらえ、中身も恐らく名有る刀匠の鍛えであろう——何から何まで奥床おくゆかしい心憎い住居の様子ではある」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)