“花櫛”の読み方と例文
読み方割合
はなぐし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お前さん、いま結立ゆいたてと見える高島田の水のりそうなのに、対に照った鼈甲べっこう花笄はなこうがい花櫛はなぐし——このこしらえじゃあ、白襟に相違ねえ。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
チッと、舌打ちをしてふくれましたが、ふと、父が立ったあとの机に、お蝶の驚きを吸いつけたのは、見おぼえのある一枚の花櫛はなぐし
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唐人髷とうじんまげの、つややかなのと、花櫛はなぐしばかりを見せているように、うつむいてばかりいる娘は、その時顔をあげて、正面に美妙斎と眼を合わせた。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)