トップ
>
拵
>
こしらえ
ふりがな文庫
“
拵
(
こしらえ
)” の例文
時にお登和さん、私はこういう話を聞ました。東京のある氷店の主人が大層アイスクリームを上手に
拵
(
こしらえ
)
て
平生
(
へいぜい
)
客に自慢するそうです。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
お前さん、いま
結立
(
ゆいた
)
てと見える高島田の水の
滴
(
た
)
りそうなのに、対に照った
鼈甲
(
べっこう
)
の
花笄
(
はなこうがい
)
、
花櫛
(
はなぐし
)
——この
拵
(
こしらえ
)
じゃあ、白襟に相違ねえ。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「云えないでしょう、お
祖父
(
じい
)
さまを殺したのは
貴方
(
あなた
)
たちです。脅迫状の話など
拵
(
こしらえ
)
て他人の事のようにごまかしたうえ、お
祖父
(
じい
)
さまを殺してお金を——」
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
松助の大友左衛門、翫太郎の荒巻耳四郎は共に小町の雨乞を妨ぐる敵役なるが、
拵
(
こしらえ
)
古風にて好し。
明治座評:(明治二十九年四月)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
刀
脇差
(
わきざし
)
も有用の物ともおもわずや、かざりの美、異風の
拵
(
こしらえ
)
のみを
物数寄
(
ものずき
)
無益の費に金銀を捨て、衣服も
今様
(
いまよう
)
を好み妻子にも華美風流を飾らせ、
遊山
(
ゆさん
)
、
翫水
(
がんすい
)
、芝居見に公禄を費し
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
髪は
文金
(
ぶんきん
)
帷子
(
かたびら
)
は
御納戸地
(
おなんどぢ
)
に
大名縞
(
だいみょうじま
)
といふ
拵
(
こしらえ
)
、
好
(
よ
)
く
稼
(
かせ
)
ぐとは
偽
(
うそ
)
か
真
(
まこと
)
か、
肉置
(
ししおき
)
善き体ながらどちらかといへば
面長
(
おもなが
)
の方なるに、
杯洗
(
はいせん
)
の上に
俯
(
うつむ
)
いてどつちが円いかしらなどとはどういふ心か
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
燃えさしを
床
(
ゆか
)
の上に投げ、また一本摩り、莨を吸付けながら、どうでもいいというようなる風にて戸の方を見る。○モデル
娘
(
むすめ
)
。質素なる黒の上着に
麦藁帽子
(
むぎわらぼうし
)
の
拵
(
こしらえ
)
にて、遠慮らしく
徐
(
しずか
)
に
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
る。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
幕僚をお
拵
(
こしらえ
)
なさい。そうすれば元帥は枕を高うしていられます。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
もう一人の方は、
山茶花
(
さざんか
)
と小菊の花の飛模様のコオトを着て、白地の
手拭
(
てぬぐい
)
を吹流しの……妙な
拵
(
こしらえ
)
だと思えば……道理こそ、降りかゝる雪を
厭
(
いと
)
ったも。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
出の
拵
(
こしらえ
)
は弁慶の
単衣
(
ひとえ
)
に三尺を締め、手拭を浅く輪の様にして
向
(
むこう
)
鉢巻をなし、
留
(
とめ
)
をやや左に寄せV字状になし、右の
偏袒
(
かたはだぬぎ
)
になりて白木綿の腹巻を見せ、裾を高く尻端折し、袖をたくし上げ
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
この時権十郎の紀伊国屋文左衛門が暖簾を
搴
(
かか
)
げて出る。その
拵
(
こしらえ
)
は唐桟の羽織を著、
脇差
(
わきざし
)
を差し
駒下駄
(
こまげた
)
を
穿
(
は
)
いている。
背後
(
うしろ
)
には東栄が蛇の目傘を持って附いている。合方は一中節を奏する。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
久右衛門は
胡麻塩頭
(
ごましおあたま
)
をしているのに、この爺いさんは髪が真白である。それでも腰などは少しも曲がっていない。結構な
拵
(
こしらえ
)
の両刀を
挿
(
さ
)
した姿がなかなか立派である。どう見ても田舎者らしくはない。
じいさんばあさん
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
拵
漢検1級
部首:⼿
9画
“拵”を含む語句
足拵
身拵
急拵
下拵
荷拵
膳拵
腹拵
拵事
取拵
御拵
手拵
別拵
言拵
拵附
菜拵
俄拵
副食物拵
旅拵
銀拵
鉄拵
...