“ぎょうそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
形相93.0%
行装3.5%
形装1.4%
行粧1.4%
行草0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さらにまた南蛮のにて見たる、悪魔の凄じき形相ぎょうそうなど、こまごまと談りければ、夫人も今更に「じゃぼ」の恐しさを思い知られ
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ここまで持って来た是か非かの生命いのちがけな論議も、ここでは口に出すすべもなかったし——より以上、老公のいつにない堂々たる行装ぎょうそうの出先にたいして
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雑誌の肖像で見た通りの形装ぎょうそうである。顔はきわめて白く、くちびるは極て赤い。どうも薄化粧をしているらしい。それと並んでしぼりの湯帷子を著た、五十歳位に見える婆あさんが三味線をかかえて控えている。
余興 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
先度の元和の上洛も将軍家の行粧ぎょうそうはすこぶる目ざましいものであったが、今度の寛永の上洛は江戸の威勢がその後一年ごとにいちじるしく加わってゆくのを証拠立てるように花々しいものであった。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
近頃四谷に移住うつりすみてよりはふと東坡とうばが酔余の手跡しゅせきを見その飄逸ひょういつ豪邁ごうまいの筆勢を憬慕けいぼ法帖ほうじょう多く購求あがないもとめて手習てならい致しける故唐人とうじん行草ぎょうそうの書体訳もなく読得よみえしなり。何事も日頃の心掛によるぞかし。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)