高燥こうそう)” の例文
広告には「土地高燥こうそうにして空気新鮮遠く都会の雑沓を離れ、児童の勉学並に健康に適す。汽車並に電車の便あり」
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
都会としては割合に高燥こうそうな土地に、林の中とも言いたいほど樹木の多いところに、青木の新居を見つけた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
土地は高燥こうそうにして平面、海に面して前にさえぎるものなし、空気清く眺望なり、義塾唯一の資産にして、今これを売ろうとしたらば、むかし御払下おはらいさげの原価五百何十円は
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
彼の持論に従えば、阪神間でも高燥こうそうな、景色の明るい、散歩に快適な地域なのであるが、それがちょうど揚子江や黄河こうがの大洪水を想像させる風貌ふうぼうに変ってしまっている。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
土地が高燥こうそうで、至って閑静で、第一水が良い。
彼処そこでもない此処ここでもないと勝手次第にさそうな地所じしょを見立てゝ、いよ/\芝の三田みたにある島原しまばら藩の中屋敷が高燥こうそうの地で海浜かいひんの眺望も良し、塾には適当だと衆論一決はしたれども
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)