上着うわっぱり)” の例文
青々とした菜をしょって帰って行く子供もあり、男とも女とも後姿の分らないようなのが足速あしばやに岡の道を下って行くもあり、そうかと思うと、上着うわっぱりのまま細帯も締めないで
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
殊にその女房が箕を高く差揚げ風に立てているのが見える。風は身に染みて、冷々ひやひやとして来た。私の眼前めのまえに働いていた男の子は稲村に預けて置いた袖なし半天を着た。母も上着うわっぱり塵埃ほこりを払って着た。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)