被服うわっぱり)” の例文
蹲踞しゃがんで出刃をみがくものもある。寒い日の光は注連しめを飾った軒先から射し入って、太い柱や、そこに並んで倒れている牛や、白い被服うわっぱりを着けた屠手等の肩なぞを照らしていた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人々は互に新年の挨拶を取換とりかわした。屠手の群はいずれも白い被服うわっぱりを着け、素足に冷飯ひやめし草履という寒そうな風体ふうていで、それぞれ支度を始める。庭の隅にかがんで鋭い出刃包丁でばぼうちょうぐのもある。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
古びた白の被服うわっぱりを着けた屠手は獣医の方を見た。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)