“被服廠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひふくしょう71.4%
ひふくしやう28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
本所で多数の人々が死んだのもその結果であろう。被服廠ひふくしょう跡へ逃げろということは巡査が自転車でふれ歩いたと伝えられている。
地異印象記 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
これに聞くと、緑町界隈かいわいの人間はみな被服廠ひふくしょうで死に、生命をたすかったのは自分をはじめ、せいぜい十名たらずであろう——などといった。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
のおなじ火事くわじに、靈岸島れいがんじまは、かたりぐさにするのも痛々いた/\しくはゞかられるが、あはれ、今度こんど被服廠ひふくしやうあとで、男女だんぢよ死體したい伏重ふしかさなつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
殊に僕の住んでゐたのは「お竹倉たけぐら」に近い小泉町こいづみちやうである。「お竹倉」は僕の中学時代にもう両国停車場や陸軍被服廠ひふくしやうに変つてしまつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)