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一方口
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いっぽうぐち
ふりがな文庫
“
一方口
(
いっぽうぐち
)” の例文
片方は
大河
(
おおかわ
)
で
遮
(
さえぎ
)
られているから、この
一方口
(
いっぽうぐち
)
へ
逃
(
のが
)
れるほかには逃げ道はなく、まるで袋の鼠といった形……振り返れば、諏訪町、黒船町は火の海となっており
幕末維新懐古談:13 浅草の大火のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
一方口
(
いっぽうぐち
)
で寝室だとばかり思込んでいたのは、飛んだ間違いで、その部屋には
外
(
ほか
)
に出口があったのだ。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
頃は向島の花見時、
一方口
(
いっぽうぐち
)
の枕橋近辺に其れとなく見張って居りますので、
往来
(
ゆきゝ
)
の人は立止りますくらい、文治は遥か離れて向島より知らせの来るのを待受けて居ります。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
円
(
まろ
)
く拡がり、
大洋
(
わたつみ
)
の
潮
(
うしお
)
を取って、穂先に
滝津瀬
(
たきつせ
)
、
水筋
(
みすじ
)
の高くなり
行
(
ゆ
)
く
川面
(
かわづら
)
から
灌
(
そそ
)
ぎ
込
(
こ
)
むのが、
一揉
(
ひとも
)
み揉んで、どうと落ちる……
一方口
(
いっぽうぐち
)
のはけ
路
(
みち
)
なれば、橋の下は
颯々
(
さっさっ
)
と瀬になって
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「全体、狐ッて奴は、穴一つじゃねえ。きつと何処にか
抜穴
(
ねけあな
)
を付けとくって云うぜ。
一方口
(
いっぽうぐち
)
ばかし
堅
(
かた
)
めたって、知らねえ
中
(
うち
)
に、裏口からおさらばをきめられちゃ、いい面の皮だ。」
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
御米が呼びに立とうとするのを、用はないからいいと留めたまま、宗助は炬燵
蒲団
(
ぶとん
)
の中へ
潜
(
もぐ
)
り込んで、すぐ横になった。
一方口
(
いっぽうぐち
)
に崖を控えている座敷には、もう暮方の色が
萌
(
きざ
)
していた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕はこんな重大な事を
一方口
(
いっぽうぐち
)
で判断したくはありませんから
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“一方”で始まる語句
一方