“いつこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一向33.3%
一口16.7%
一更16.7%
一行16.7%
一鉤16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おきなはりきみました。ひめも、年寄としよつた方々かた/″\老先おいさき見屆みとゞけずにわかれるのかとおもへば、おいとかかなしみとかのないあのくにかへるのも、一向いつこううれしくないといつてまたなげきます。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
彼のふところを出でたるは蝋塗ろぬりきらめ一口いつこうの短刀なり。貫一はその殺気にうたれて一指をも得動かさず、むなしまなこかがやかして満枝のおもてにらみたり。宮ははや気死せるか、推伏おしふせられたるままに声も無し。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
薄紅うすべにをさして居るのが一層ひときはいやらしく見える、が、一更いつこうすましたもので、其だるい京訛きやうなまりを大声で饒舌しやべつて居る、勿論えず煙草たばこはすつて居るので。
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
しか家屋かおく兩翼りようよくすこしくかたむきながら、つぶれずにのこつてゐたので、これを檢査けんさしてると、餘震よしんには安全あんぜんであらうと想像そう/″\されたから、山崎博士やまざきはかせはじ一行いつこう四人よにん其家そのいへ樓上ろうじよう一泊いつぱくした。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
必死と争へる両箇ふたりが手中のやいばは、あるひは高く、或は低く、右に左に閃々せんせんとして、あたかも一鉤いつこうの新月白く風の柳をふに似たり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)