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見屆
粧ひ諸司代屋敷へ
赴むきしかば牧野丹波守殿
對面有て身分より御
證據の品の拜見もありしに全く相違なしと
見屆け京都よりも又此段を
私は
如何にもして、かの
怪の
船の
正體を
見屆けんものをと、
身を
飜して
左舷船首に
走り、
眼を
皿のやうにして
其船の
方を
見詰めたが、
月無く、
星影も
稀なる
海の
面は
近く召れ敵は吾助と
見屆ながら
打洩しぬる事
殘念なり汝は幼少より家に仕へて
性根を
提げたるは如何にも金飛脚と見えけるゆゑ
後より見え
隱れに附け行て
見屆たるに瀬戸物町十七屋孫兵衞と云ふ
飛脚屋へ
這入けるが今日が
立日にて
店先に手代共
居双び帳面など認めし
此方には大勢の若い者
荷拵へを