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みとゞけ
近く召れ敵は吾助と
見屆ながら
打洩しぬる事
殘念なり汝は幼少より家に仕へて
性根を
提げたるは如何にも金飛脚と見えけるゆゑ
後より見え
隱れに附け行て
見屆たるに瀬戸物町十七屋孫兵衞と云ふ
飛脚屋へ
這入けるが今日が
立日にて
店先に手代共
居双び帳面など認めし
此方には大勢の若い者
荷拵へを
某し
見屆たりサア出せ/\と
詰寄に曲者は是非なく
財布より金子二分取出し
然樣ならばと差出せしかばソレ見よ持て
居ながら少しもなきなぞと
未僞るは
不屆至極なりと云ながら
握り
拳にて
横樣に
擲倒さんとする故盜人は大いに恐れアヽ
眞平御免下さるべしと
平蜘の如くになつて
詫入にぞ半四郎は二分の金を