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みとゞ
粧ひ諸司代屋敷へ
赴むきしかば牧野丹波守殿
對面有て身分より御
證據の品の拜見もありしに全く相違なしと
見屆け京都よりも又此段を
私は
如何にもして、かの
怪の
船の
正體を
見屆けんものをと、
身を
飜して
左舷船首に
走り、
眼を
皿のやうにして
其船の
方を
見詰めたが、
月無く、
星影も
稀なる
海の
面は
と
翁はりきみました。
姫も、
年寄つた
方々の
老先も
見屆けずに
別れるのかと
思へば、
老とか
悲しみとかのないあの
國へ
歸るのも、
一向に
嬉しくないといつてまた
歎きます。
二日——
此の
日正午のころ、
麹町の
火は
一度消えた。
立派に
消口を
取つたのを
見屆けた
人があつて、もう
大丈夫と
言ふ
端に、
待構へたのが
皆歸支度をする。
家内も
風呂敷包を
提げて
駈け
戻つた。
阿蘇の
靈地からは
火の
玉が
三つ
飛び
出たともいひ、また
性空上人は
霧島の
頂上に
參籠して
神體を
見屆けたといふ。それによれば
周圍三丈、
長さ
十餘丈、
角は
枯木の
如く、
眼は
日月の
如き
大蛇なりきと。
見樣と思ふ中其浪人は
日暮なれば
仕舞て歸る
樣子なれども
蟲の知らせしか文右衞門に
違ひなしとこゝろへ夫より
後を
尾て
見屆けしに山崎町の
乞丐頭長屋へ
這入しかば其所を
「
湯どのだ、
正體は
見屆けた、あの
煙だ。」といふと、
濱野さんが
鼻を
出して、
嗅いで
見て、「いえ、あのにほひは
石炭です。
一つ
嗅いで
來ませう。」と、いふことも
慌てながら
戸外へ
飛び
出す。
心得居るやといふに今度は
確と心得候と
答へける然らば感應院
病死の
節は其方
病症をば
慥に
見留たるやと申すに清兵衞答て感應院の病症は
大食滯に候去ながら
私し事は
病症見屆けの醫には候はず病氣を