“ひたぶる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一向66.7%
33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一向ひたぶるしんを労し、思を費して、日夜これをのぶるにいとまあらぬ貫一は、肉痩にくやせ、骨立ち、色疲れて、宛然さながら死水しすいなどのやうに沈鬱しをはんぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一向ひたぶるに名声赫々かくかくの豪傑を良人おっとに持ちし思いにて、その以後は毎日公判廷にづるを楽しみ、かの人を待ちこがれしぞかつは怪しき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
宮は男の手をば益すゆるめず、益す激する心のうちには、夫もあらず、世間もあらずなりて、唯この命をふる者を失はじと一向ひたぶるに思入るなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
起居ききょ振舞ふるまいのお転婆てんばなりしは言うまでもなく、修業中は髪をいとまだにしき心地ここちせられて、一向ひたぶるに書を読む事を好みければ、十六歳までは髪をりて前部を左右に分け
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
かくいへばとてひたぶるに閑寂を好み、山野に跡をくらまさんとにはあらず、やゝ病身人にみて世を厭ひし人に似たり。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)