“ひたすら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒタスラ
語句割合
只管88.1%
一向11.0%
只更0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然し男は「ままよ」の安心で、大戸の中のくぐとおぼしいところを女に従って、ただ只管ひたすら足許あしもとを気にしながら入った。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
海の展望もありなかなかよさそうなところと、只管ひたすら支那街らしい左右の情景に注意を奪われて居ると、思いがけない緑色の建物の前で梶が下りた。
長崎の一瞥 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
大切な密書を彼女のなすがまゝに任せて只管ひたすら恐懼きょうくしているようなのは、どう考えても不為ふためをはかる者の態度ではない。
仕方が無いから、今に又機会おりも有ろうと、雪江さんの話は浮の空に聞いて、只管ひたすら機会おりを待っていると、忽ちガラッと障子がいて、
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
又た劇界の内外より組織せられたる演芸協会なる者もありて、只管ひたすら詩人と劇部との間を温かにせんと企てられたりしも、暫時にして其の目的を失ひぬ。
劇詩の前途如何 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
渠は腕組をして、一向ひたすらに他の事を思ふまいと、詩の事許りに心を集めて居たが、それでも時々、ピクリピクリと痙攣ひきつけが顔に現れる。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一 王を尊び民をあはれむは學問の本旨。然らば此天理を極め、人民の義務にのぞみては一向ひたすらなんに當り、一同の義を可事。
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
夫婦は、さらに三日の祈願を籠めて、一向ひたすら納受を願ふと、一子は授けてやるが、三つになつた年に、父母のどちらかゞ死なゝければならぬと言ふのである(一段目)。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
大意。今通っている山中の笹の葉に風が吹いて、ざわめきみだれていても、わが心はそれにまぎれることなくただ一向ひたすらに、別れて来た妻のことをおもっている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
障子をあけて人々がやって来ても、右の子熊は、それらの人々を避けるのでもなく、怖れ走るのでもなく、やっぱり一向ひたすらに米友に向って、じゃれついて離れる模様はありません。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
只更ひたすらうらんだが、しかのちかんがへると、なか萬事ばんじなにわざわひとなり
あだか炭團屋たどんや長男ちやうなんのやうになつたことにはかぬ無邪氣むじやきさ、只更ひたすらわたくしかほゆびさわらつたなど