“ぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ゼン
語句割合
48.9%
38.1%
4.7%
2.4%
1.3%
1.3%
0.8%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
三年前0.2%
前日0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其處そこふるちよツけた能代のしろぜんわんぬり嬰兒あかんぼがしたか、ときたならしいが、さすがに味噌汁みそしるが、ぷんとすきはらをそゝつてにほふ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぜんの朋輩が二人、小野という例の友達が一人——これはことに朝から詰めかけて、部屋の装飾かざりや、今夜の料理の指揮さしずなどしてくれた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ぜんニョムさんは、息子達夫婦が、肥料を馬の背につけて野良へ出ていってしまう間、尻骨の痛い寝床の中で、眼をつぶって我慢していた。
麦の芽 (新字新仮名) / 徳永直(著)
これも並ならぬ風懐ふうかいだしお覚悟である。結果的に、帝にとって百余日の八寒はちかんの獄が、いやおうなしの、ぜんゆかになっていたともいえようか。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは栄玄がぜんに対して奢侈しゃしを戒めたことが数次であったからである。抽斎は遺られた所の海鰱をきょうすることを命じた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
是が彼の最初の失敗で、学校側の人達は佐藤を忘恩の痴者しれものののしった。斯ういう悪声はぜんを追うて一般に拡がるものである。
が、畢竟ひつけうそれもまた名人上手とかいふ風な古來の形しきが當ぜん作り出すかたとらはれた觀念くわんねんと見られぬ事もない。
予をわずらわすこの大なるぜんたおせ、予を安静ならしむるかのなるかな、である。
○そも/\時平公は大職冠九代の孫照そんせうぜん公の嫡男ちやくなんにて、代々□臣の家柄いへがらなり。しかのみならず延喜帝の皇后きさきあになり。このゆゑに若年にして□臣の貴重きちやうしよくししなり。
子華しかが先師の使者としてせいに行った。彼の友人のぜん先生が、留守居の母のために飯米を先師に乞うた。先師はいわれた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
ぜん先生が役所から退出して来られると、先師がたずねられた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それより以上いじやうくちくには、あまぜんといふものゝ知識ちしきとぼしかつたので、だまつてまた宜道ぎだうれられて一窓庵いつさうあんかへつてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
白隱和尚はくいんをしやう弟子でし東嶺和尚とうれいをしやうとかいふひと編輯へんしふしたもので、おもぜん修行しゆぎやうするものが、あさところからふかところすゝんで徑路けいろやら、それにともなふ心境しんきやう變化へんくわやらを秩序立ちつじよだてゝいたものらしかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
……袖を切ったと言う三年前ぜんの婚礼の日の曠衣裳はれいしょうを、そのままで、一方紫の袖の紋の揚羽の蝶は、革鞄に留まった友を慕って、火先にひらひらと揺れました。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふるに俊雄はひたすら疇昔きのうを悔いて出入ではいりに世話をやかせぬ神妙しんびょうさは遊ばぬ前日ぜんに三倍し雨晨月夕うしんげっせきさすが思い出すことのありしかど末のためと目を
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
火星くわせい地球ちきうに一ばん近いときでも としによつてちがふが 三ぜん百万哩ひやくまんまいるもある
なんでも或る晩げのことで、さう、今頃よりもう少し早目の時刻だつたでがせう、みんな夕餉のぜんについてをりましたのさ、死んだおふくろに、死んだおやぢ、それに日傭男に日傭女と、子供が五人ばかりとね。
しかし凌州りょうしゅうの野で、二箇月にわたる戦いのすえ、ついに呉用そのほかの助勢もあって、関勝かんしょうはそれに成功し、ぜんの二大将を、とうとう梁山泊の仲間へ誘い入れてしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぶつぶつぼやきながら、この美術家はやつと一ぜんだけ掻き込むだ。
大王これをきこし召して、いささか心に恐れ給へば、佻々かるがるしくは他出そとでもしたまはず。さるをいま和主が、一ぜんもと射殺いころしたれば、わがためにうれいを去りしのみか、取不直とりもなおさず大王が、眼上めのうえこぶを払ひしに等し。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
晩飯に私は海産のぜん虫——我国の蚯蚓みみずに似た本当の蠕虫で、只すこし大きく、一端にあるふさから判断すると
人よ、これを単に他愛もなき坐談の一節なりとて、軽々に看過するなかれ。尊とむべき教訓は、あにかの厳たる白堊校堂裡、鹿爪しかつめらしき八字ぜんの下よりのみ出づる者ならむや。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)