“疇昔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちゅうせき38.9%
ちうせき22.2%
きのう11.1%
むかし11.1%
さき5.6%
そのかみ5.6%
むかしのまゝ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
未だ技の疇昔ちゅうせきに及ぶものなく、今し音曲の江戸趣味はこれらには残れ、どうやら灯将に尽きんとして更に明を加うというような感がしてならぬ。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
山陽が二十一歳から二十六歳に至る間の事である。疇昔ちうせきより山陽の伝を作るものは、皆此幽屏の前後に亘る情実を知るにくるしんだ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ふるに俊雄はひたすら疇昔きのうを悔いて出入ではいりに世話をやかせぬ神妙しんびょうさは遊ばぬ前日ぜんに三倍し雨晨月夕うしんげっせきさすが思い出すことのありしかど末のためと目を
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
「知らぬ疇昔むかしは是非もなけれど、かくわが親に仇敵あること、承はりて知る上は、もだして過すは本意ならず、それにつき、ここ一件ひとつの願ひあり、聞入れてたびてんや」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
疇昔さきの日おん身が物思はしげに打沈みてのみ居給ひしとき、つたなき身のそを慰め參らせばやとおもひしことあり。その時より今日までは、まだしみ/″\とおん物語せしことなし。
快く疇昔そのかみを語るべき古老の存するなし。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
いほりを結ぶ古城の下、時に登る古城の上、古城疇昔むかしのまゝに非ず、今人自ら来往す——一九三二年、秋ちかきころ、私はそんな古詩を愛誦しながら
私の万年筆 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)