疇昔さき)” の例文
疇昔さきの日おん身が物思はしげに打沈みてのみ居給ひしとき、つたなき身のそを慰め參らせばやとおもひしことあり。その時より今日までは、まだしみ/″\とおん物語せしことなし。
唯だ小尼公のすゞしき目の我面を見上げて、衆人の罪惡の爲めに代りて我に謝するに似たるありて、われはその辱の疇昔さきよりも忍び易きを覺えたり。ひそかにおもふに我にはまことに弱點あり。