一口いもあらい)” の例文
「すさまじい水勢じゃ、淀、一口いもあらいへ向うか、それとも河内路へ廻るべきか。また水の引くのを待つべきか」
平等院びょうどういん、扇の芝、塔の嶋、山吹の瀬、宇治おち、かたうらの蔵松、真木の鈎月、伏見の指月など、名所古蹟は申すまでもなく、西は八幡、山崎、狐河、淀、一口いもあらいのあたりへかけ
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
一口いもあらいの方まで参っているそうでございますから、万一のお怪我がございましては……
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
五月雨さみだれで増水しているところへ無理をして渡河強行いたしますならば、人も馬も多く失われるは必定、淀、一口いもあらいへまわるか、または河内路へまわって、そこから対岸に渡るべきか
一口いもあらいへは伯父の信太三郎先生義憲しだのさぶろうせんじょうよしのりを三百余騎とともに向わせた。