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打
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う
ふりがな文庫
“
打
(
う
)” の例文
こんどやってきたら、
鉄砲
(
てっぽう
)
で
打
(
う
)
ち
殺
(
ころ
)
してしまうといっている
人
(
ひと
)
もあるくらいです。けれど、
正
(
しょう
)
ちゃんは
黒犬
(
くろいぬ
)
をかわいがっていました。
僕がかわいがるから
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
時
(
とき
)
は、
隣室
(
りんしつ
)
に
臥
(
ね
)
てゐるKの
夫人
(
ふじん
)
に
搖
(
ゆす
)
り
起
(
おこ
)
されて
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
ましたが、
彼女
(
かのぢよ
)
にはそれが
單
(
たん
)
に
夢
(
ゆめ
)
とばかり、
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
すことができなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
と
言
(
い
)
って、あたりを
見𢌞
(
みまわ
)
した
時
(
とき
)
の
袖子
(
そでこ
)
は
何
(
なに
)
がなしに
悲
(
かな
)
しい
思
(
おも
)
いに
打
(
う
)
たれた。その
悲
(
かな
)
しみは
幼
(
おさな
)
い
日
(
ひ
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げて
行
(
ゆ
)
く
悲
(
かな
)
しみであった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
黒いおじさんだって、女ひとりが
斯
(
こ
)
うして駆け込んで来た以上、いざ
縄
(
なわ
)
打
(
う
)
って代官所へなんて、野暮なことを云やあしないでしょう。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何
(
なに
)
なりと
訊
(
たず
)
ねて
貰
(
もら
)
います。
研究
(
けんきゅう
)
の
為
(
た
)
めとあれば、
俺
(
わし
)
の
方
(
ほう
)
でもそのつもりで、
差支
(
さしつかえ
)
なき
限
(
かぎ
)
り
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
打
(
う
)
ち
明
(
あ
)
けて
話
(
はな
)
すことにしましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
さうして
愛情
(
あいじやう
)
の
結果
(
けつくわ
)
が、
貧
(
ひん
)
のために
打
(
う
)
ち
崩
(
くづ
)
されて、
永
(
なが
)
く
手
(
て
)
の
裡
(
うち
)
に
捕
(
とら
)
へる
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
なくなつたのを
殘念
(
ざんねん
)
がつた。
御米
(
およね
)
はひたすら
泣
(
な
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「この尼僧院には私たちのオーリャが居るのよ」とソフィヤ・リヴォヴナは言って、やはり十字を切ったが、その身は
打
(
う
)
ち
顫
(
ふる
)
えた。
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
前を通ろうとして、我にもあらず
立淀
(
たちよど
)
んだ。散策子は、
下衆儕
(
げしゅうばら
)
と
賭物
(
かけもの
)
して、鬼が出る
宇治橋
(
うじばし
)
の夕暮を、
唯
(
ただ
)
一騎
(
いっき
)
、東へ
打
(
う
)
たする
思
(
おもい
)
がした。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところがだん/\
進歩
(
しんぽ
)
するに
從
(
したが
)
つて
石塊
(
いしころ
)
に
多少
(
たしよう
)
の
細工
(
さいく
)
を
加
(
くは
)
へ、
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つて
物
(
もの
)
を
打
(
う
)
ち
壞
(
こわ
)
すに
便利
(
べんり
)
な
形
(
かたち
)
にこしらへるようになりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
と言うを耳にも掛けず、これでも言わねえか/\と二つ三つ続け
打
(
うち
)
に
打
(
う
)
たれて、多助は心の中で、情ないとは思いながらもしおらしく
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
偶然、その目的が同じ蜂須賀家にあるのであるから、
打
(
う
)
ち
溶
(
と
)
けて話しあってみれば、必ず何か、双方の利となることがあるに違いない。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今
(
いま
)
さらお
前
(
まえ
)
さんとこの
太夫
(
たゆう
)
が、
金鋲
(
きんびょう
)
を
打
(
う
)
った
駕籠
(
かご
)
で
迎
(
むか
)
えに
来
(
き
)
ようが、
毛筋
(
けすじ
)
一
本
(
ぽん
)
動
(
うご
)
かすような
女
(
おんな
)
じゃねえから
安心
(
あんしん
)
しておいでなせえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そのとき、アッカは首をのばし、つばさを力づよく
打
(
う
)
って、
全速力
(
ぜんそくりょく
)
で飛んでいきました。いまこそ、いくべきところがわかったのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「まあ/\、何とかそこのところを都合つけてくれ。この通りもう腰が立たないんだから、
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
って置けば凍え死んでしまう」
一年の計
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
樵夫
(
そま
)
を
僦
(
やと
)
ふて
僕
(
ぼく
)
を
索
(
さが
)
す、
此
(
この
)
暗
(
くら
)
い
溪底
(
たにそこ
)
に
僕
(
ぼく
)
の
死體
(
したい
)
が
横
(
よこたは
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
東京
(
とうきやう
)
へ
電報
(
でんぱう
)
を
打
(
う
)
つ、
君
(
きみ
)
か
淡路君
(
あはぢくん
)
か
飛
(
と
)
んで
來
(
く
)
る、そして
僕
(
ぼく
)
は
燒
(
や
)
かれてしまう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そこでさっそく
打
(
う
)
ち
出
(
で
)
の
小槌
(
こづち
)
を
振
(
ふ
)
って、そこへ
食
(
た
)
べきれないほどのごちそうを
振
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
して、お
姫
(
ひめ
)
さまと
二人
(
ふたり
)
で
仲
(
なか
)
よく
食
(
た
)
べました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
いつかその簾のそとに
打
(
う
)
ち
萎
(
しお
)
れていた、若い頭の君の艶な姿が、ふいと私には苦しいほどはっきりと
俤
(
おもかげ
)
に立ったりするのだった。
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
天女
(
てんによ
)
御空
(
みそら
)
に
舞
(
ま
)
ふが
如
(
ごと
)
き
美音
(
びおん
)
は、
心
(
こゝろ
)
なき
壇上
(
だんじやう
)
の
花
(
はな
)
さへ
葉
(
は
)
さへ
搖
(
ゆる
)
ぐばかりで、
滿塲
(
まんじやう
)
はあつと
言
(
い
)
つたまゝ
水
(
みづ
)
を
打
(
う
)
つた
樣
(
やう
)
に
靜
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
踊
(
をど
)
つて
唄
(
うた
)
うて
渇
(
かつ
)
した
喉
(
のど
)
に
其處
(
そこ
)
に
瓜
(
うり
)
が
作
(
つく
)
つてあるのを
知
(
し
)
れば
竊
(
ひそか
)
に
瓜
(
うり
)
や
西瓜
(
すゐくわ
)
を
盗
(
ぬす
)
んで
路傍
(
みちばた
)
の
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
に
打
(
う
)
ち
割
(
わ
)
つた
皮
(
かは
)
を
投
(
な
)
げ
棄
(
す
)
てゝ
行
(
ゆ
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
特にこのことを感じたのは私が彼と
打
(
う
)
ち
解
(
と
)
けようとするときであつた。私の打ち開いた心に對して何等の答へもないのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼の顔面には此の一瞬間弱い心の
悶
(
もだ
)
えと怖れとがあり/\と現はれて見えた。それは其の汽笛の威嚇に
打
(
う
)
ち
克
(
か
)
たうとする反抗の色であつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
お
氣
(
き
)
の
毒樣
(
どくさま
)
なこつたが
獨活
(
うど
)
の
大木
(
たいぼく
)
は
役
(
やく
)
にたゝない、
山椒
(
さんしよ
)
は
小粒
(
こつぶ
)
で
珍重
(
ちんちよう
)
されると
高
(
たか
)
い
事
(
こと
)
をいふに、
此野郎
(
このやらう
)
めと
脊
(
せ
)
を
酷
(
ひど
)
く
打
(
う
)
たれて
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
本堂
(
ほんだう
)
の
方
(
はう
)
では
経
(
きやう
)
を
読
(
よ
)
む
声
(
こゑ
)
、
鉦
(
かね
)
を
打
(
う
)
つ
音
(
おと
)
もしてゐる。
道子
(
みちこ
)
は
今年
(
ことし
)
もいつか
盆
(
ぼん
)
の十三
日
(
にち
)
になつたのだと
初
(
はじ
)
めて
気
(
き
)
がついた
時
(
とき
)
である。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
さて
打
(
う
)
っ
遣
(
ちゃ
)
って置く訳にいかないものですからまずその婦人をよく
宥
(
なだ
)
めてまあ静かに寝さしてしまうような方法を取りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
漸々
(
ぜんぜん
)
不活溌となり、なおそのままに
打
(
う
)
っ
遣
(
ちゃ
)
っておけば、周囲には充分の食物があるとしても、
終
(
つい
)
には多く分裂したものが全く死滅してしまう。
進化論より見たる沖縄の廃藩置県
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
なるほど
猿
(
さる
)
が中にはいっておれば、人形がひとりでに
踊
(
おど
)
るのも
不思議
(
ふしぎ
)
ではありません。甚兵衛は手を
打
(
う
)
って
面白
(
おもしろ
)
がりました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
外國市場
(
ぐわいこくしぢやう
)
に
於
(
おい
)
て
他國品
(
たこくひん
)
と
競爭
(
きやうさう
)
の
位置
(
ゐち
)
にある
場合
(
ばあひ
)
に
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
下落
(
げらく
)
の
爲
(
た
)
めに
日本品
(
にほんひん
)
が
競爭
(
きやうさう
)
に
打
(
う
)
ち
勝
(
か
)
つて
多
(
おほ
)
く
賣
(
う
)
れることは
時々
(
とき/″\
)
經驗
(
けいけん
)
した
處
(
ところ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「おれたちがあいつとけんかをはじめるとする。あいつが切りかかる。すると、ひと
打
(
う
)
ちで七人やられてしまう。それじゃ、とてもかなわん。」
いさましい ちびの仕立屋さん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
よつて天のヤスの河を中に置いて
誓約
(
ちかい
)
を立てる時に、天照らす大神はまずスサノヲの命の
佩
(
は
)
いている長い劒をお取りになつて三段に
打
(
う
)
ち折つて
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
ヂュリ
乳母
(
うば
)
を
出
(
だ
)
してやった
時
(
とき
)
、
時計
(
とけい
)
は
九
(
こゝの
)
つを
打
(
う
)
ってゐた。
半時間
(
はんじかん
)
で
歸
(
かへ
)
るといふ
約束
(
やくそく
)
。
若
(
も
)
しや
逢
(
あ
)
へなんだかも
知
(
し
)
れぬ。いや/\、さうでは
無
(
な
)
い。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ね、そら、あの
鉄砲
(
てっぽう
)
打
(
う
)
ちの小さな変な人ね、そしてね、『おい、こんどはも少しよく、粉にして来なくちゃいかんぞ。』
毒もみのすきな署長さん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
とうとう二、三
盤
(
ばん
)
打
(
う
)
つことにした。人間も
糟谷
(
かすや
)
のような
境遇
(
きょうぐう
)
に
落
(
お
)
つるとどっちへむいても
苦痛
(
くつう
)
にばかり
出会
(
であ
)
うのである。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
火箸
(
ひばし
)
が
眞
(
ま
)
ッ
先
(
さき
)
に
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
て、それから
續
(
つゞ
)
いて
肉汁
(
スープ
)
鍋
(
なべ
)
や、
皿
(
さら
)
や
小鉢
(
こばち
)
の
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
つて
來
(
き
)
ました。
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は、
其等
(
それら
)
が
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
を
打
(
う
)
つをも
平氣
(
へいき
)
で
居
(
を
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
それから今まで借りていた紅矢の着物を返して
旧
(
もと
)
の通りに着せて、自分は新しい男の着物を着込んで、お婆さんの着物は
打
(
う
)
っ
捨
(
ちゃ
)
ってしまいました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
其人
(
そのひと
)
に
問
(
と
)
うて
見
(
み
)
ると、
自分
(
じぶん
)
の
持地
(
もちち
)
からは
澤山
(
たくさん
)
破片
(
はへん
)
が
出
(
で
)
るが、
未
(
ま
)
だ
誰
(
たれ
)
も
發掘
(
はつくつ
)
した
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いといふ。
然
(
さ
)
らば
近日
(
きんじつ
)
發掘
(
はつくつ
)
をさして
呉
(
く
)
れと
其場
(
そのば
)
で
手金
(
てきん
)
を
打
(
う
)
つた。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
しかし、わたしの猫を
打
(
う
)
つ理由は、彼等の交合に因るのではなく、彼等の騒ぎに因るので、騒がれるとわたしは眠れないからである。わたしは思う。
兎と猫
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
裂
(
さ
)
き
捨
(
す
)
てられる
立禁
(
たちきん
)
の
札
(
ふだ
)
。
馘首
(
かくしゆ
)
に
対
(
たい
)
する
大衆抗議
(
たいしうこうぎ
)
。
全市
(
ぜんし
)
を
揺
(
ゆる
)
がすゼネストの
叫
(
さけ
)
び。
雪崩
(
なだ
)
れを
打
(
う
)
つ
反
(
はん
)
×
(15)
のデモ。
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
恐ろしくなりて急ぎ家に帰り入り、門の戸を
堅
(
かた
)
く
鎖
(
とざ
)
して
打
(
う
)
ち
潜
(
ひそ
)
みたれども、夜通し狼の家をめぐりて吠ゆる声やまず。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
が、年輩は
彼是
(
かれこれ
)
同じ位らしく、それだけ又世間の親分子分よりも、
打
(
う
)
ち
融
(
と
)
けた交情が通つてゐる事は、互に差しつ抑へつする盃の間にも明らかだつた。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大江ノ
匡衡
(
まさひら
)
は、と御尋ねあれば、鋭士数騎、
介冑
(
かいちゅう
)
を
被
(
こうむ
)
り、
駿馬
(
しゅんめ
)
に
鞭
(
むち
)
打
(
う
)
って、粟津の浜を過ぐるにも似て、其
鉾
(
ほこさき
)
森然
(
しんぜん
)
として当るものも無く見ゆ、と申す。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
晴
(
はら
)
すべしと其夜
近所
(
きんじよ
)
合壁
(
がつぺき
)
の
寢靜
(
ねしづま
)
りたる頃藤重が家に
忍
(
しの
)
び行て見るに是は如何に
何程
(
なにほど
)
開
(
ひら
)
かんとしても
戸
(
と
)
は
釘
(
くぎ
)
にて
外
(
そと
)
より
打
(
う
)
ち
付
(
つけ
)
て有ば少しも
開
(
あか
)
ず内の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
所謂
(
いはゆる
)
敵情偵察
(
てきじようていさつ
)
である。
敵情
(
てきじよう
)
が
悉
(
こと/″\
)
くわかつたならば、
災禍
(
さいか
)
をひき
起
(
おこ
)
すところのかの
暴力
(
ぼうりよく
)
を
打
(
う
)
ち
碎
(
くだ
)
くことも
出來
(
でき
)
よう。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
過酷な労働が強制され、白人監督に
笞
(
むち
)
打
(
う
)
たれる黒色人褐色人の悲鳴が日毎に聞かれた。脱走者が相継ぎ、しかも彼等の多くは捕えられ、或いは殺された。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
けれど、このシャツのままで
打
(
う
)
っちゃって
置
(
お
)
かれないのは、もう目に見えていた。
仕方
(
しかた
)
なしに
箪笥
(
たんす
)
をあけて、まだ
袖
(
そで
)
を
通
(
とお
)
さない
新
(
あたら
)
しいシャツをとり出した。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
第一次の帝都空襲に、予想以上の
大痛手
(
おおいたで
)
をうけた祖国日本は近く第二次の大空襲を、太平洋と
亜細亜
(
アジア
)
大陸両方面から、
挟
(
はさ
)
み
打
(
う
)
ちの形で受けようとしている。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
間
(
ま
)
もなく
邸宅
(
ていたく
)
にいよいよ
買
(
かひ
)
手がついたといふ
話
(
はなし
)
が
傳
(
つた
)
はつて、ラアネフスカヤが
悲
(
かな
)
しみに
打
(
う
)
たれて
卒倒
(
そつとう
)
する
塲面
(
ばめん
)
となつてくるのであるがその
間
(
あひだ
)
裏
(
うら
)
手からカチン
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
戦場で
負傷
(
ふしょう
)
したきずに手当てをする
余裕
(
よゆう
)
がなくて
打
(
う
)
っちゃらかしておくと、
化膿
(
かのう
)
してそれに
蛆
(
うじ
)
が
繁殖
(
はんしょく
)
する。その蛆がきれいに
膿
(
うみ
)
をなめつくしてきずが
癒
(
い
)
える。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「そのお
拵
(
こしら
)
えは——ははあ、雪の日に、
尾羽
(
おは
)
打
(
う
)
ち枯らした御浪人、刀をさした
案山子
(
かかし
)
という御趣向で、なるほどな、おそれいりました。おそれいりました。」
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
お国は二十二三の商売人上がりらしい女ですが、
白粉
(
おしろい
)
っ気のない、少し
打
(
う
)
ち
萎
(
しお
)
れたところなど、お小夜の品の良いのに比べると、恐ろしく
仇
(
あだ
)
っぽく見えます。
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ラランはかう
答
(
こた
)
へるや
否
(
いな
)
や、もう、
羽
(
はね
)
をひろげた。ほかの
鴉
(
からす
)
たちはペンペを
馬鹿
(
ばか
)
なやつだと
思
(
おも
)
ひながらもヱヴェレストの
頂上
(
てうじやう
)
目指
(
めざ
)
して
飛
(
と
)
びだす
元気
(
げんき
)
に
打
(
う
)
たれた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
“打”を含む語句
打擲
打付
打衝
打捨
打倒
打突
打附
打撲
打合
打棄
打毀
打壊
打破
打切
打遣
打着
打砕
打伏
打叩
打込
...