一年の計いちねんのけい
片岡君は又禁酒を思い立った。 思い立つ日が吉日というが、片岡君は然う右から左へ埓を明けたがらない。思い立ってから吉日を探し当てるまでに可なり手間がかゝる。 「今から禁酒しても来月は小杉君が洋行するから送別会がある。俺は一番懇意だから何うした …