“打伏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うつぶ28.6%
うつぶし21.4%
うちふ14.3%
うっぷ14.3%
うちふし7.1%
うつぶせ7.1%
うつむ7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其三尺四方のどぶのやうな田池の中には、先刻さつき大酔して人にたすけられて戸外へ出たかの藤田重右衛門が、殆ど池の広さ一杯に、髪をだし、顔を打伏うつぶして、丸で
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
それは、その翌日、殆ど全村を焼き尽したその灰燼くわいじんの中になかば焼けた少女をとめの死屍を発見した事で、少女は顔を手に当てたまゝ打伏うつぶしに為つて焼け死んで居た。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
きくる涙にむせびながら、掻き口説くどことも定かならず、亂れし心を押し鎭めつ、眼を閉ぢかうべを俯して石階の上に打伏うちふせば、あやにくや、沒落の今の哀れに引きくらべて、盛りなりし昔の事
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そういう人達は行列をジーッと見て居るというより礼拝して地上に打伏うっぷしてしまうのが多いです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
同じ方でいらっしゃろうとは、あの打伏うちふし巫子みこに聞いて見ても、わからないのに相違ございません。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
流川放送局の前に伏さって死んでいた婦人は赤ん坊に火のつくのを防ぐような姿勢で打伏うつぶせになっていたという話や、そうかと思うと瀬戸内海のある島では当日
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
私は口の中でさう言つて打伏うつむいた。悲しいとも淋しいとも、何とも例へやうのない心持であつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)