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う
ふりがな文庫
“
售
(
う
)” の例文
維新後其技大いに
售
(
う
)
れて、一時多く浅田宗伯に譲らなかつた。
徳
(
めぐむ
)
さんは少時医を此玄道に学んだ。清川氏の
裔
(
すゑ
)
は今大津に居ると云ふ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
任は怒って
釈
(
ゆる
)
さなかった。二成はそこでまた地券を任にやって、かってに
售
(
う
)
ってもかまわないということにして、やっともとの金をもらって帰って来た。
珊瑚
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
去秋以後收入なきにあらねど、そは戰爭中徒然のあまり筆とりし草稿、幸にして燒けざりしを
售
(
う
)
りしが爲なり。
荷風戦後日歴 第一
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
時を
匡
(
たゞ
)
し道に
順
(
したが
)
ひ、仰いで鳳鳴を悲み、俯して匏瓜を嘆ず、之を
估
(
う
)
りて
售
(
う
)
れざらんことを恐れ、之を藏めて失はんことを憂ふ、之れ正は即ち正なりと雖も
人生終に奈何
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
だから芸を
售
(
う
)
って口を
糊
(
こ
)
するのを恥辱とせぬと同時に、学問の根底たる立脚地を離るるのを深く
陋劣
(
ろうれつ
)
と心得た。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
ちょうど同時に、大阪の鮫皮商が、廃刀令出て鮫皮が塵埃同然の下値となり、やむをえず高価絶佳の鮫皮を酢で
煮
(
に
)
爛
(
ただ
)
らかして壁を塗る料にして
售
(
う
)
った事もあり。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
隋
(
ずゐ
)
の
文帝
(
ぶんてい
)
の
宮中
(
きうちう
)
には、
桃花
(
たうくわ
)
の
粧
(
よそほひ
)
あり。
其
(
そ
)
の
趣
(
おもむき
)
相似
(
あひに
)
たるもの
也
(
なり
)
。
皆
(
みな
)
色
(
いろ
)
を
衒
(
てら
)
ひ
寵
(
ちよう
)
を
售
(
う
)
りて、
君
(
きみ
)
が
意
(
こゝろ
)
を
傾
(
かたむ
)
けんとする
所以
(
ゆゑん
)
、
敢
(
あへ
)
て
歎美
(
たんび
)
すべきにあらずと
雖
(
いへど
)
も、
然
(
しか
)
れども
其
(
そ
)
の
志
(
こゝろざし
)
や
可憐也
(
かれんなり
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして画を検査してから、「
售
(
う
)
れないなら售れないで、原物を返して呉れるべきに、狡いことをしては困る」と云ふと、「飛んでも無い、正しくこれは原物で」と延珸は云ひ張る。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
謂わば平素小恩を
售
(
う
)
って、いざという場合には、その全人格を挙げて奴隷的奉仕をせよと迫るのであるが、平常いかに面倒を見てやったとて、万一の場合には月給を渡さなくてもよい
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
それが近頃はおかしいくらい勤勉になって、ひとの二倍も三倍も仕事をしてけろりとしている。もとは
售
(
う
)
れぬ戯曲を二つか三つ書いていたようだったが、今は戯曲のほかに演出にも手を出す。
道
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
自ら
謂
(
おも
)
へらく、
吾夫
(
わがをつと
)
こそ当時恋と富との
値
(
あたひ
)
を知らざりし己を欺き、
空
(
むなし
)
く輝ける富を示して、
售
(
う
)
るべくもあらざりし恋を奪ひけるよ、と悔の余はかかる恨をも
他
(
ひと
)
に
被
(
き
)
せて、彼は己を
過
(
あやま
)
りしをば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかし抽斎は心を潜めて古代の医書を読むことが
好
(
すき
)
で、
技
(
わざ
)
を
售
(
う
)
ろうという念がないから、知行より
外
(
ほか
)
の収入は
殆
(
ほとん
)
どなかっただろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
坂の麓に一古寺あり。門に安閑寺の三字を掲げたり。ふと安閑寺の灸とて名高き
艾
(
もぐさ
)
を
售
(
う
)
りしはこの寺なり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そして画を検査してから、「
售
(
う
)
れないなら售れないで、原物を返してくれるべきに、
狡
(
こす
)
いことをしては困る」というと、「飛んでもない、正しくこれは原物で」と廷珸はいい張る。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その胆を取りて高価に
售
(
う
)
る。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「曾聞書賈黠無比。怪見南翁特地痴。伝奇出像人争購。却損家貲刻悪詩。」小説の善く
售
(
う
)
れるに比してあるのは妙である。小原も亦云つてゐる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
俳句のみならず文章にも巧みであったが、人に勧められても一たびも文を
售
(
う
)
ろうとした事がなかった。
深川の散歩
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「文化元年武州浦和伊勢屋清蔵の家に寓す。」是も亦技を
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(
う
)
らむがための旅であつただらう。瑞英此年十九歳であつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
然レドモ九皐詩文ヲ以テ高ク自ラ
矜持
(
きょうじ
)
シ世ニ
售
(
う
)
ルコトヲ欲セズ。今四十ヲ過ギテナホ
坎壈
(
かんらん
)
ヲ抱ク。コレラノ作アル
所以
(
ゆえん
)
ナリ。方今在位ノ人真才ヲ
荒烟寂寞
(
こうえんじゃくまく
)
ノ郷ニ取ラズ。
吁
(
ああ
)
惜ムベキ
哉
(
かな
)
。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
君六十年
文
(
ぶん
)
を
售
(
う
)
りて
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
售
漢検1級
部首:⼝
11画