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填
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う
ふりがな文庫
“
填
(
う
)” の例文
時候が次第に寒くなって、お玉の家の流しの前に、下駄で踏む
処
(
ところ
)
だけ板が土に
填
(
う
)
めてある、その板の上には朝霜が真っ白に置く。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それはわたしの家の接ぎ目を割ったので、そのための空気洩れをとめるためにその後多くの
倦怠
(
けんたい
)
をもって
填
(
う
)
められなければならなかった。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
これは制限されたスペースの中に所定の字数を
填
(
う
)
めなければならないという制約から生れた美しさだ。工藝ではしばしば不自由が美を自由にさせる。
台湾の民芸について
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
最後は俺の智恵をかりにくるばかりさ、と納まつてゐたが、世の中はさういふものではない。昨日までの青二才が穴を
填
(
う
)
め立派にやつて行くものだ。
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
牛屋
(
ぎゅうや
)
のちゃぶ台の
真中
(
まんなか
)
へ丸く木を
填
(
う
)
めてあろうという組織であるのに、お座料がまた必ずしもお安くない。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その空間を彼女のしなやかな感触で
填
(
う
)
めたかった。彼は、虚脱したようにシートの背にもたれた。
その一年
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
豈
(
あに
)
今人ノ韻ヲ
逐
(
お
)
ヒ字ヲ
填
(
う
)
メテ
動
(
やや
)
モスレバ千百言ヲ成スノ比ナランヤ。
韓昌黎
(
かんしょうれい
)
ハ硬語横空。
元微之
(
げんびし
)
ハ
玉磬
(
ぎょっけい
)
ノ声声ニシテ徹シ金鈴ノ箇箇円ナルヲ以テ二ナガラ
聯
(
つら
)
ネテコレヲ称ス。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
魯西亜
(
ロシア
)
と日本は争わんとしては争わざらんとしつつある。支那は
天子蒙塵
(
てんしもうじん
)
の
辱
(
はずかしめ
)
を受けつつある。英国はトランスヴㇵールの金剛石を掘り出して軍費の穴を
填
(
う
)
めんとしつつある。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
点々とその
窪洞
(
うろ
)
に
填
(
う
)
めながら、ギザギザに尖っている輪廓を、無数に空に投げ掛けている。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
「戯談と聞かれちゃ
填
(
う
)
まらない、こう言出すまでにはどの位苦しんだと思いなさる」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
われらは
落懸
(
おとしがけ
)
のうしろや、花活の周囲や、違い棚の下などを
填
(
う
)
めている闇を眺めて、それが何でもない蔭であることを知りながらも、そこの空気だけがシーンと沈み切っているような
陰翳礼讃
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それから靴の中底を引き出した。それから靴の
踵
(
かかと
)
に
填
(
う
)
めてある、きたない綿を引き出した。綿には何やらくるんである。それを左の手に持って、爺いさんは靴を穿いた。そして身を起した。
橋の下
(新字新仮名)
/
フレデリック・ブウテ
(著)
それよりゃアその金を借金方へ
填
(
う
)
めて精出し、働らいて
儲
(
もう
)
けた銭で買った着物を着て往かなけりゃアならねえと思って居りやす、旦那え不思議なことにゃアお浪が此の頃
神信心
(
かみしんじん
)
を始めやした
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
用なき
窪
(
くぼみ
)
をば
填
(
う
)
め、いらぬ
罅
(
すきま
)
をば塞ぎ、上に草を
葺
(
ふ
)
けば、家すでに成れり。我牧者の家は丘の上にありて兩層あり。
隘
(
せば
)
き戸口なるコリントスがたの柱は、當初墳墓を築きしときの面影なるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
衆人力を一つにして、急いでその穴を
填
(
う
)
めに往く。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
その中の一人が涼を求めて観の背後に出ると、土を取った跡らしい穴の底に新しい土が
填
(
う
)
まっていて、その上に緑色に光る
蠅
(
はえ
)
が群がり集まっていた。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それに対処する方法は、親しんで狎れず、といふことで、一定の距離を置き、その距離を礼節で
填
(
う
)
める方法だつた。
我鬼
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
十分間
(
じつぷんかん
)
に
七十五輌
(
しちじふごりやう
)
、
敢
(
あへ
)
て
大音寺前
(
だいおんじまへ
)
ばかりとは
云
(
い
)
はない。
馬道
(
うまみち
)
は
俥
(
くるま
)
で
填
(
う
)
まつた。
淺草
(
あさくさ
)
の
方
(
はう
)
の
悉
(
くはし
)
い
事
(
こと
)
は、
久保田
(
くぼた
)
さん(
万
(
まん
)
ちやん)に
聞
(
き
)
くが
可
(
い
)
い。……
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
、
本郷臺
(
ほんがうだい
)
。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あの二人にとって生活とは、それぞれの退屈をかぎりなく
填
(
う
)
めていく行為でしかないのだ。
愛のごとく
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
幸子はところどころ想像で穴を
填
(
う
)
めながら聞いて行かなければならなかった。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
膚
(
はだへ
)
の皺は繁くして、縮めたる網の如し。黒き瞳は
眶
(
まぶち
)
を
填
(
う
)
めん程なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかもその箱の半以上を、茶褐色の背革の大きい本三冊が占めていて、跡は小さい本と雑記帳とで
填
(
う
)
まっている。三冊の大きい本は
極
(
ごく
)
新しい。薄暗い箱から、背革に記してある金字が光を放っている。
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
暮しの穴を
填
(
う
)
めて貰つたのに氣が附いては、好い顏はしない。
高瀬舟
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
目貫の穴は二つあって、一つは鉛で
填
(
う
)
めてあった。
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
填
部首:⼟
13画
“填”を含む語句
装填
填合
填充
充填
裝填
穴填
補填
填補
充填物
填詞
填塞
継填
押填
填絮
填然
填漆
填捕
不足填補
填咽
土砂填充法
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