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十分間
春は
櫻の
賑ひよりかけて、なき
玉菊が
燈籠の
頃、
續いて、
秋の
新仁和賀には、
十分間に
車の
飛ぶこと、
此の
通りのみにて
七十五輌。
十分間に
七十五輌、
敢て
大音寺前ばかりとは
云はない。
馬道は
俥で
填まつた。
淺草の
方の
悉い
事は、
久保田さん(
万ちやん)に
聞くが
可い。……
山の
手、
本郷臺。
此の
間約十分間。
恁うまで
大切にすると
云ふのが、
恩人の
遺兒でも
何でもない、
我が
兒なのである。