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請
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う
ふりがな文庫
“
請
(
う
)” の例文
「ナアニ、神尾とやら申す青侍一匹、ウフフ拙者ひとりで沢山だ。みんな寝ちまえ、寝ちまえ! ついでに、酒も独りでひき
請
(
う
)
けた」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
押問答無用
(
おしもんどうむよう
)
、こんがらもせいたかも何を愚図愚図しているんだ、こっちは拙者が引き
請
(
う
)
けたから、その野郎を血祭りに上げてしまえ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とふくろうは
請
(
う
)
け
合
(
あ
)
って、さんざん
首
(
くび
)
をひねって
考
(
かんが
)
えていましたが、やがて
烏
(
からす
)
をどっぷり、
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
墨
(
すみ
)
のつぼにつっ
込
(
こ
)
みました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お
請
(
う
)
けにならないように願いたい、自分は此のことを申上げたいと存じて、只今
態々
(
わざ/\
)
筑紫から参ったのです、と云うのであった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
町
(
まち
)
はずれの、ある
橋
(
はし
)
のそばで、
一人
(
ひとり
)
のおじいさんが、こいを
売
(
う
)
っていました。おじいさんは、
今朝
(
けさ
)
そのこいを
問屋
(
とんや
)
から
請
(
う
)
けてきたのでした。
千代紙の春
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
次にスサノヲの命が天照らす大神の左の御髮に
纏
(
ま
)
いておいでになつた大きな
勾玉
(
まがたま
)
の澤山ついている玉の
緒
(
お
)
をお
請
(
う
)
けになつて
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
遣
(
つか
)
ひ
込
(
こみ
)
父の勘當を
請
(
う
)
け身を
投
(
なげ
)
んとせし時に是なる五八に
助
(
たす
)
けられ今は五八方に居て初瀬留に
見繼
(
みつぎ
)
を受け不自由なくは
消光
(
くらし
)
居れど
何卒
(
なにとぞ
)
勘當
(
かんだう
)
の
詫
(
わび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その小間物屋から四、五軒さきに、踊りや茶番の衣裳の損料貸しをする家があって、そこで
操
(
あやつ
)
りの衣裳の仕立てや縫い直しなどを
請
(
う
)
け
負
(
お
)
っていた。
半七捕物帳:38 人形使い
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
戦争で
頓挫
(
とんざ
)
していたけれども、これからふたたび、前日のような
盛況
(
せいきょう
)
を見るであろうことは
請
(
う
)
け合いで、わが
邦
(
くに
)
園芸界のために、大いに
祝
(
しゅく
)
してよろしい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
活
(
い
)
けては置かじと
囁
(
ささや
)
く
様
(
やう
)
にて、心済まねば謂ひも出でず、もしそれ胸中の
疑磈
(
ぎくわい
)
を吐きて智識の
教
(
をしへ
)
を
請
(
う
)
けむには、
胸襟
(
きようきん
)
乃
(
すなは
)
ち
春
(
はる
)
開
(
ひら
)
けて臆病
疾
(
とみ
)
に
癒
(
い
)
えむと思へど
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それはそれは痛み入ったことだ、有難くお
請
(
う
)
けをして、早速、薬は調えて上げるが、米友、もう少し前へおいで
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「てかけでも足かけでもおまへん。わたへが
請
(
う
)
け合ひますさかい、安心しなはれ。」と千代松は微笑んだ。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「二人は大丈夫で、お鮒の方から口説かせる氣でゐますよ、
請
(
う
)
け合ひ八九十までは長生きする手合で」
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それからその経を
請
(
う
)
け取りまして私はまた直に「この経の真面目は何であるか」と言って尋ねると「それは三乗は即ち一乗であるということを説明した経文である」
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
阿摩美久みずからが
儀来河内
(
ぎらいかない
)
に往来して、稲種を
請
(
う
)
け
乞
(
こ
)
うてきたと明記したのは、単なる誤解や忘失ではなく、もっぱらその阿摩美久を始祖の半神半人と見たために
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
屹度為替で返すといふことを繰返して言つて、学生はその金を
請
(
う
)
けた。そして甲田の名を聞いた。甲田は、『返して貰はなくても可い。』と言つた。然し学生は
諾
(
き
)
かなかつた。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
せっかくの仕事だから後でお
腹
(
なか
)
のいたむような
請
(
う
)
け方はするなと、彼は注意して言った。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
飯「そんな事を云っては困るよ、
己
(
おれ
)
がもう
請
(
う
)
けをした、
金打
(
きんちょう
)
をしたから仕方がない」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
溢れる水を唇に
請
(
う
)
けて見せたが、稚兒は、手を淨める水に
吻
(
くち
)
を
接
(
つけ
)
るのを咎めた。
貝殻追放:017 泉鏡花先生と里見弴さん
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
気持ちのよい返事をしたならば、つぎにはさっそくに呼んでいる子供のそばにいき、頼まれた用事をこころよく
請
(
う
)
け合って、ほかの用事は繰りあっても、すぐにしてやることが大切です。
女中訓
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
このボタンの研究は、警視庁の依頼を受けてロンドン商工会議所が引き
請
(
う
)
けた。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
否か応かは、よう御存じ、申し訳は致しませねど。はいとお
請
(
う
)
けの申されぬ、この身の程を
弁
(
わきま
)
へましては、どうもかうして居られませぬ。御恩を仇に、こんな事、願ひまするは、恐れますれど。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
城主にお
暇
(
いとま
)
を
乞
(
こ
)
い、老妻と共に出家して
播州
(
ばんしゅう
)
の清水の山深くかくれたのを、丹後その経緯を聞き伝えて志に感じ、これもにわかにお暇を乞い
請
(
う
)
け、妻子とも四人いまさらこの世に生きて居られず
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
請
(
う
)
け
容
(
い
)
れるやうにしなくつちやならんぞ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは
請
(
う
)
け合えない。
社長秘書
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
あっても私が
否応
(
いやおう
)
なしに引っ張り出しますから、その人の方は大丈夫ですが、蒔岡さんの方はあなたが引き
請
(
う
)
けて下さいますね
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
書肆
(
ほんや
)
からは
頻々
(
ひんぴん
)
と矢の催促をうけるので、
版木彫
(
はんぎぼり
)
と
刷
(
すり
)
をひき
請
(
う
)
けている
彫兼
(
ほりかね
)
の
親爺
(
おやじ
)
はきょうも、絵師の喜多川春作の家へ来て、画室に坐りこんでいた。
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二週間
(
にしゅうかん
)
もいってきなされば、おまえさんのその
体
(
からだ
)
は、
生
(
う
)
まれ
変
(
か
)
わったようにじょうぶになることは
請
(
う
)
け
合
(
あ
)
いです。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あらたに油渡世をもはじめたについては、伊豆伍を蹴落して、御書院番頭脇坂山城守さまのお
計
(
はか
)
らいで、お城の油御用を一手に引き
請
(
う
)
けたいという念願。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「いくら品川でも女ひとりを
請
(
う
)
け出すには纒まった金がいる。
多寡
(
たか
)
が錺職人が半年や一年稼いでも、それだけの金が出来そうもねえ。なにか金主があるな」
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
御支配様からの御沙汰をお
請
(
う
)
けをするとしないとに
拘
(
かかわ
)
らず、左様な御沙汰があったならば、一応は自分のところへお話がなければならないはずだと思いました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いや、自分は何も敵に捕へられた時、軍隊の事情をいつては
不可
(
いけ
)
ぬ、
拷問
(
ごうもん
)
を堅忍して、秘密を守れといふ、訓令を
請
(
う
)
けた事もなく、それを誓つた
覚
(
おぼえ
)
もないです。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そんなに泣くでない。宰相がおいでになるからには、命だけは、何とか
乞
(
こ
)
い
請
(
う
)
けて下さると思うよ」
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「あつしが辨慶讀みにしてゐちや、
請
(
う
)
け合ひ晝時分になりますよ。ちよいと讀んで下さいな親分」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
狐
(
きつね
)
と親しくなりて家を富ます術を得んと思い立ち、まず庭の中に
稲荷
(
いなり
)
の
祠
(
ほこら
)
を
建
(
た
)
て、自身京に
上
(
のぼ
)
りて正一位の神階を
請
(
う
)
けて帰り、それよりは日々一枚の
油揚
(
あぶらげ
)
を欠かすことなく
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
又どうかなろうと思い、
早々
(
そう/\
)
東京へ来て、坂本二丁目の
知己
(
しるべ
)
の
許
(
もと
)
に同居していたが、君の住所は知れずよ、永くべん/\として居るのも気の毒だから、つい先々月亀島町の裏長屋を借り
請
(
う
)
け
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
運送屋の下
請
(
う
)
けのようなことをしている男が小馬車を自宅の裏庭へ乗り入れて、そこに、血の池の中に
仆
(
たお
)
れているエリザベス・ストライド——
綽名
(
あだな
)
を「のっぽのリック」といって背が高かった。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
何処かへ移すのんやったら、
蒲原
(
かんばら
)
病院はどうやろう。………あすこやったら、訳話したらきっと引き
請
(
う
)
けてくれはるやろう思うねん。………
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
光秀どのが最もつよくいわれている重点はそこで、たとえ御開城あるとも、誓って、
本領安堵
(
ほんりょうあんど
)
と御家名の存続は
請
(
う
)
けあうとの固い
御約定
(
ごやくじょう
)
を示されておる。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
水一杯といっても聞えない
看護
(
みとり
)
を
請
(
う
)
けるお絹の身になったらどうであったろう、またこれを知りつつも
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
請
(
う
)
け出してみると、金側の……むろん、純金ではないが、立派な舶来品だった。質屋へは、大枚十九円也。それに一円二十銭の利息を加えて、二十円二十銭也を支払った。
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
きょうあすをも知れない身でしきりに、剣をもって相識る柳生対馬守の弟を、娘萩乃の入り婿に乞い
請
(
う
)
けた。その柳生源三郎の到着を、枕の上に首を長くして待っている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
天下
(
てんか
)
一
品
(
ぴん
)
、
安
(
やす
)
くて千
両
(
りょう
)
の
値打
(
ねう
)
ちは
請
(
う
)
け
合
(
あ
)
いです。」と、りこう
者
(
もの
)
は
感歎
(
かんたん
)
いたしました。
天下一品
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
遠野の町の後なる物見山の中腹にある沼に行きて、手を
叩
(
たた
)
けば
宛名
(
あてな
)
の人いで
来
(
く
)
べしとなり。この人
請
(
う
)
け合いはしたれども
路々
(
みちみち
)
心に掛りてとつおいつせしに、一人の
六部
(
ろくぶ
)
に行き
逢
(
あ
)
えり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
養子に貰ひ
請
(
う
)
けて城富とぞ名らせけるが
城富
(
じやうとみ
)
の十四歳の時に養父の城重
病死
(
びやうし
)
致せし故
養母
(
やうぼ
)
を大切に孝養して
相應
(
さうおう
)
に
暮
(
くら
)
しける是より
前
(
さき
)
此城富十二歳の春より
按摩
(
あんま
)
を
業
(
わざ
)
として居たりしが或時
住吉
(
すみよし
)
町を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
刑事はおやすい御用だと引き
請
(
う
)
けて、手ぐすね引いて待っていた。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
身内の者をそう云っては
可笑
(
おか
)
しいけれども、器量と云い、教養と云い、才能と云い、こいさんなら立派なお嫁さんになれることは
請
(
う
)
け合いだから
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
親鸞が、自身信州へ赴いて乞い
請
(
う
)
けてきた一光三尊の善光寺
如来
(
にょらい
)
の御分身を出迎えたのである。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、半身を斜めにして、溢れかかる水の一筋を、玉の
雫
(
しずく
)
に、
颯
(
さっ
)
と散らして、赤く燃ゆるような唇に
請
(
う
)
けた。ちょうど
渇
(
かわ
)
いてもいたし、水の
潔
(
きよ
)
い事を見たのは言うまでもない。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
相模屋へ奉公してから十年、若い時フトした間違いで
質
(
しち
)
に取られた田地を
請
(
う
)
け戻そうと、私は必死に働きました。旦那の総兵衛様は、私にとっては二代の主人でございます。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“請”の意味
《名詞》
(ショウ)願うこと。招くこと。
(ショウ)律令制で五位以上の貴族などに適用された刑法上の特典。
(出典:Wiktionary)
請
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
“請”を含む語句
強請
請取
請求
請合
請負
起請
請待
普請
勧請
起請文
安請合
請願
招請
申請
請引
身請
小普請
請出
請負師
仮普請
...