“射(う)” の例文
「アッカやユクシやモルテンみたいな鳥を射(う)とうなんて、とんでもない話だ! 人間どものすることは、まったくばかばかしい!」
しかし、敵もさる者、カーチス戦闘機が十八機、死にものぐるいの逆襲をやり、わが神風式偵察機と、入りみだれて機関銃を射(う)ちあった。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
「そうだ。僕は仁科少佐の子供で道雄と云うのだ。さあ、ぐずぐず云わないで、お父さんを出せ。云う通りしないと射(う)つぞ」
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
射(う)ってみる気はないか。伜の半十郎には、今朝ほど申しつけておいたが、やる気があるなら、二人で腕をくらべてみるか
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
逃出そうとする者があったら、容赦なく射(う)ってしまえ。だが、最初は空砲、二度目には実弾を射てと命じてあります。
立原道造もえらぶことに於て、くるいはなかったが、津村もまた自分の好きをうまく射(う)ちあてているような気がした。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
云いざま混血児チャアリイが隠し持った拳銃を、取出すよと見る、パッ! パッ! と二発、続けさまに射(う)った。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼は、勝平を射(う)とうとして誤って、美奈子(みなこ)を傷つけた為(ため)、危く罪人となろうとしたのを、勝平に対する父の子爵(ししゃく)の哀訴のために、告訴されることを免れた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
で、与兵衛は其中の一番大きい親猿を射(う)つてやらうと思つて、狙(ねら)ひを定めて、ドーン! と一発射ちました。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
道化役者が疝気(せんき)の発作におそわれればその派手な衣裳もその病苦をあらわすにちがいないし、兵士が砲弾に射(う)ちあてられればぼろも紫衣のけだかさをもつであろう。
ただ、ぼくはその古着屋(ふるぎや)で服をきて、すがたをととのえなくては、こまるんだ。それだのにおやじは、ぼくを追(お)いまわして、ピストルで射(う)つつもりなんだから……。
すると樹の上の熊はしばらくの間おりて小十郎に飛びかかろうかそのまま射(う)たれてやろうか思案しているらしかったがいきなり両手を樹からはなしてどたりと落ちて来たのだ。
なめとこ山の熊 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ジョンソン大尉インドバハール地方で猴群に愕(おどろ)かされてその馬騒ぎ逸(のが)れし時、鉄砲を持ち出して短距離から一猴を射(う)ち中(あ)てしに、即時予に飛び掛かるごとく樹の最下枝に走り降り
豹のような水夫に背後からピストルを射(う)たれ、左胸部を貫通され、ばったり甲板に斃(たお)れたはずの自分が、船長室のベッドのうえで、意識を取返すなんか、有りうべからざることだ。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
あらゆる命令が名前としてつけてあった——『射(う)て』だの、『罵(ののし)れ』だの、『飛びまわれ』だの、『火事』だの、『薙(な)ぎたおせ』だの『書きなぐれ』だの『焼け』だの、『焦(こ)がせ』だの
「誰か、これで、あの鬼灯提灯(ほおずきぢょうちん)を、射(う)ってみないか。射(あ)てた者に、五両やる」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この帆村の言葉はどうやら鴨田理学士の金的(きんてき)を射(う)ちぬいたようであった。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は猟銃を肩にして、なん時間もぶっとおしに、重い足をひきずりながら、森をぬけ、沼地を渡り、丘を越え、谷をくだって、あげくのはてに、栗鼠(りす)や野鳩(のばと)をほんの二つ三つ射(う)ちとめたものである。
一つは射(う)てますわね。……魔のお姫様の直伝ですから。……でも、音がするでしょう、拳銃(ピストル)は。お嬢さんが耶蘇(ヤソ)の目を射た場所は、世界を掛けての事だから、野も山もちっとこことは違うようです。
肺を射(う)ち貫(ぬ)かれたらしい。独艦の軍医が大急ぎで呼びに行かれた。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
味方はワッワッと鬨(とき)を作って、倒(こ)ける、射(う)つ、という真最中。
ふと見たら破(や)れた垣根(かきね)の隙間から銃口(つつぐち)が出(で)てる雀射(う)つかあなや
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「矢を取りにいっているとき、射(う)ってやる」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
トレープレフさんが射(う)ったの。
自由を泥(どろ)に射(う)ちこむために
ごおーっと一陣の風をまき起しながら、二千米、一千米、わが高角砲の射(う)つ弾(たま)の煙につつまれても、びくともせずに降りて来る。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
「キツネのやつらは、いつも穴(あな)や裂(さ)けめにはいりこんでかくれてしまいますから、射(う)とうにも射つことができないんですよ。」
「津の国には一つかみも和泉の土はござらぬ。おぬしごとき父を持った息子殿と射(う)ち合った茅原(かやはら)も、対手(あいて)をえらびそくなったとでもいおうより外はない。」
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「俺(おれ)は、今日限り、猟夫(かりうど)は止める。もう一生鉄砲は射(う)たない。信次、お前はその子猿を大事に飼つてやれ、俺はこの母猿を裏の墓場へ叮嚀(ていねい)にお葬式をしてやる!」
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
亡(な)くなった大旦那から聞いていたのだろう、若旦那も鉄砲射(う)ちが好きで、その季節になって猟にでかけるとき、増さんにお供を命じたが、増さんはそのたびに断わり
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
こんなやつに射(う)たれてたまるものか、ぼくは階段(かいだん)をおりかけていたおやじのうしろにせまると、いきなり、古いすをふりあげて、やつの頭をちからまかせになぐりつけてやった
さあ、オツベルは射(う)ちだした。六連発のピストルさ。ドーン、グララアガア、ドーン、グララアガア、ドーン、グララアガア、ところが弾丸(たま)は通らない。牙(きば)にあたればはねかえる。
オツベルと象 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「弾箱(たまばこ)を出しておきましたけん、いッちょ射(う)とうじゃにゃあですか」
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その白金(はっきん)の覆輪(ふくりん)がまた何よりも強く眼を射(う)ったのである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「戦闘用意! 射(う)ち方始め! 射撃目標は潜水艦!」
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「誰だ! 誰だ! 黙っていると、射(う)ち殺すぞ!」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「いいわねえ、賛成。……上手に射(う)てますか。」
いまか、いまか……清少年は発射ボタンに手をかけて、「射(う)てッ」の命令をまちかまえている。心臓の血が火のようにあつくなってきた。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
とたんに、三羽(ば)の野ガモがアシのあいだに射(う)ちおとされました。と、見るより早く、セーサルがとんでいって、野ガモたちをくわえてきました。
基経は念を押すように娘の方を見た。橘は祷(いの)るように父に何もいうなという怖気(おじけ)のある色をうかべて、もう、鳥を射(う)つのは可哀想(かわいそう)だという意味をも含ませた眼附(めつき)だった。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
彼はその翌日、百万坪の端にある篠竹(しのだけ)の茂みで捕えられた。「大蝶」の旦那の射(う)った猟銃の霰弾(さんだん)が彼のふくら脛(はぎ)に当ったのだという。旦那の射撃の腕前は高く評価された。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
おれも商売ならてめえも射(う)たなけぁならねえ。ほかの罪のねえ仕事していんだが畑はなし木はお上のものにきまったし里へ出ても誰(たれ)も相手にしねえ。仕方なしに猟師なんぞしるんだ。
なめとこ山の熊 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「透明人間(とうめいにんげん)だ。ピストルを持っている。残りのたまは二発……署長(しょちょう)は射(う)たれた」
誰(た)ぞ誰(た)ぞ雀射(う)つなと荒らけく声かけて寒し障子閉めたり
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼はその翌日、百万坪の端にある篠竹(しのだけ)の茂みで捕えられた。「大蝶」の旦那の射(う)った猟銃の霰弾(さんだん)が彼のふくら脛(はぎ)に当ったのだという。旦那の射撃の腕前は高く評価された。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
この水鳥を二人は射(う)てるであろうか、基経は何気なく二人をちらと見たとき敏感な若者連は基経の眼の中を、津の人も、和泉の人も、いまかその言葉が基経の口を衝(つ)いていわれるかを
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「あしたは騎兵が実弾射撃に来るさうぢゃないか。どこへ射(う)つのだらう。」
柳沢 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
落ちつかむ、狙(ねら)ひ射(う)たむとぞ燥(あせ)れども
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こんな玩具(おもちや)の猟銃で射(う)てるものかい。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)