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獲
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う
ふりがな文庫
“
獲
(
う
)” の例文
すべて
獲
(
う
)
べからず、
譬
(
たと
)
えば沙を圧して油を
覓
(
もと
)
め、水を
鑽
(
き
)
って酥を求むるがごとく、既に得べからずいたずらに自ら労苦すとある。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
手島はこれを調達せんと欲して奔走しているが、これを
獲
(
う
)
る道がないというのであった。抽斎はこれを聞いて慨然として献金を思い立った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
何も
獲
(
う
)
るところなく、表門の潜りまで戻って来ると、木村丈八は、まだそこに立っていて、彼の挙動を
不審
(
いぶか
)
るように訊ねた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しばらくの間
三
(
み
)
つ
巴
(
どもえ
)
に争い続けましたが、貧しいお柳は次第に失い、富んだお糸が、次第に
獲
(
う
)
るところが多くなったのは言うまでもないことです。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
貧乏
(
びんばふ
)
な
百姓
(
ひやくしやう
)
はいつでも
土
(
つち
)
にくつゝいて
食料
(
しよくれう
)
を
獲
(
う
)
ることにばかり
腐心
(
ふしん
)
して
居
(
ゐ
)
るにも
拘
(
かゝ
)
はらず、
其
(
そ
)
の
作物
(
さくもつ
)
が
俵
(
たはら
)
になれば
既
(
すで
)
に
大部分
(
だいぶぶん
)
は
彼等
(
かれら
)
の
所有
(
しよいう
)
ではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
我儕の任ずる所もまた
甚
(
はなはだ
)
重からずや。斃れて後已むに至りては固より我儕の
薺甘
(
せいかん
)
する所なりといへども、独り恐らくは真理の終に
獲
(
う
)
べからざることを。
『東洋自由新聞』第一号社説
(新字旧仮名)
/
中江兆民
(著)
故に将士は営に至れば、
即
(
すなわ
)
ち休息するを得、
暇
(
いとま
)
あれば王
射猟
(
しゃりょう
)
して地勢を周覧し、
禽
(
きん
)
を
得
(
う
)
れば将士に
頒
(
わか
)
ち、塁を抜くごとに
悉
(
ことごと
)
く
獲
(
う
)
るところの財物を
賚
(
たま
)
う。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
松明
(
たいまつ
)
をとって進み入ると、深さ四丈ばかりで行き止まりになってしまって、他には抜け路もないらしく、結局なんの
獲
(
う
)
るところもなしに引き揚げて来た。
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
我は心柔和にして
謙遜者
(
へりくだるもの
)
なれば
我軛
(
わがくびき
)
を負て我に
学
(
ならへ
)
なんぢら心に
平安
(
やすき
)
を
獲
(
う
)
べし、
蓋
(
そは
)
わが軛は
易
(
やすく
)
わが荷は
軽
(
かろ
)
ければ也
主のつとめ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
彌子
(
びし
)
の
行
(
おこなひ
)
未
(
いま
)
だ
初
(
はじめ
)
に
變
(
かは
)
らざるに、
前
(
まへ
)
には
賢
(
けん
)
とせられて、
後
(
のち
)
には
罪
(
つみ
)
を
獲
(
う
)
る
者
(
もの
)
は、
(一〇九)
愛憎
(
あいぞう
)
の
至變
(
しへん
)
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
今ここにこれを失わんか、渠はほとんど再びこれを
獲
(
う
)
るの道あらざるなり。されども渠はついに失わざるべからざるか、豪放
豁達
(
かったつ
)
の女丈夫も途方に暮れたりき。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
... 調べたら多少の
獲
(
う
)
る所があるかもしれない。しかし今急に何とも
極
(
き
)
められんね」小山「ナニも急ぐ事はない。来年になっても構わんからその方針にしておき給え」
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
戦国の群雄が
素懐
(
そくわい
)
とした上洛の理想は、尾張に
崛起
(
くつき
)
した織田信長によつて遂げられたが、かうして、一躍新武家時代の寵児となつた信長は、上洛の栄誉を
獲
(
う
)
ると同時に
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
帰国を促す交渉がとうとう破裂しても、
西班牙
(
スペイン
)
に闘牛があるあいだ、すぺいんを見捨てることは彼女には不可能だった。
麺麭
(
パン
)
と入場料を
獲
(
う
)
るために彼女は女優になった。
踊る地平線:07 血と砂の接吻
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
事若し誤らば、この手証は生ながら葬らるべき罪を
獲
(
う
)
るに余有るものならずや。さしも覚悟の文ながら、彼はその一通の力を以て
直
(
ただち
)
に貫一の心を解かんとは思設けざりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
製法 磨製石斧の
製法
(
せいはふ
)
は現存石器時代人民の
爲
(
な
)
す所に
由
(
よ
)
つても
知
(
し
)
るを得れと、
遺跡
(
ゐせき
)
に於て
獲
(
う
)
る所の
截
(
き
)
り
掛
(
か
)
けの
凹
(
くぼ
)
み有る石片截り目を存する
石斧
(
いしおの
)
、
刄
(
は
)
の
鈍
(
にぶ
)
きもの刄の鋭きもの
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
若
(
も
)
し
英米
(
えいべい
)
霸
(
は
)
を
稱
(
せう
)
すれば、
靡然
(
ひぜん
)
として
英米
(
えいべい
)
に
走
(
はし
)
り、
獨國
(
どくこく
)
勢力
(
せいりよく
)
を
獲
(
う
)
れば
翕然
(
きうぜん
)
として
獨國
(
どくこく
)
に
就
(
つ
)
き、
佛國
(
ふつこく
)
優位
(
いうゐ
)
を
占
(
し
)
むれば、
倉皇
(
さうこう
)
として
佛
(
ふつ
)
に
從
(
したが
)
ふならば、わが
獨立
(
どくりつ
)
の
體面
(
たいめん
)
は
何處
(
いづこ
)
にありや。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
先
(
ま
)
づ北の
方
(
かた
)
氷寒界の彼方に蒼面白髪の姉妹を尋ね、それに迫つて、西の国で
林檎
(
りんご
)
を
戍
(
まも
)
れる三人の処女の在所を訊ねよ。処女はゴーゴン・メヂューサの首を
獲
(
う
)
るに必要な三つの品を
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
魔を以て魔の浄相を仰ぎ見ようとするのである。鶴見はそういうところに信念の糸を掛けて、自然に随順する生を営んで行こうとしている。つまるところ、無を修して全を
獲
(
う
)
る。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
あらゆる若い娘たちの
先途
(
せんど
)
すなわち到達点、もっと
大袈裟
(
おおげさ
)
な語でいえば女の修養の目的が是にあったとこは、あらゆる若者が家長の地位を
獲
(
う
)
るのを目標に、努力したのも同じである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
庶人念ずれば、
疾疫
(
しつえき
)
、
癘気
(
れいき
)
、家中に入らず。
惑
(
わく
)
を断ち、
祥
(
しょう
)
を
獲
(
う
)
ること、之に過ぎたるはなし。
宜
(
よろ
)
しく、天下諸国につげ、男女老少を論ずることなく、口に
閑
(
しず
)
かに、般若波羅蜜多を念誦すべし
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
「これ位の金で売るのは、まことに苦しゅうございますが、この話がこわれるようなことがありますと、罪を
獲
(
う
)
ることになりますから、しかたがありません。大王の仰せのままにいたしましょう。」
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
尺を得れば尺、寸を
獲
(
う
)
れば寸と云う
信玄流
(
しんげんりゅう
)
の月日を送る田園の人も、夏ばかりは
謙信流
(
けんしんりゅう
)
の
一気呵成
(
いっきかせい
)
を作物の上に
味
(
あじ
)
わうことが出来る。
生憎
(
あいにく
)
草も夏は育つが、さりとて草ならぬものも目ざましく
繁
(
しげ
)
る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
獲
(
う
)
る所は疑惑と
悔
(
くい
)
のみ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
金貨
(
きんくわ
)
一つを
獲
(
う
)
べし。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
シューマン自身の言葉で「世界がかつて見たものの中、最も光栄ある娘」を
獲
(
う
)
るために、シューマンは社会的地位と名声を築き上げる決心をした。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
そうした世に生きる人間どもは、必然、功利に溺れ、
猜疑
(
さいぎ
)
深く、骨肉
相食
(
あいは
)
み、自己を
省
(
かえり
)
みず、利を
獲
(
う
)
れば身をほろぼし、貧に落つれば、人のみを
呪
(
のろ
)
う。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軍
(
いくさ
)
に
趨
(
おもむ
)
けば必ず大勝利を
獲
(
う
)
というたものだが、肝心緊要の場合に間に合わさず、売ってしまったはさっぱり分らぬとジュロールの『
巴里
(
パリ
)
記奇』に
出
(
い
)
づ。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それが
支那
(
しな
)
の古書であるのは、いま西洋の書が
獲
(
え
)
がたくして、そのたまたま
獲
(
う
)
べきものがみな戦争をいうがゆえである。これはレセプチイフの一面である。
なかじきり
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
以前
(
いぜん
)
のやうに
天然
(
てんねん
)
の
肥料
(
ひれう
)
を
獲
(
う
)
ることが
今
(
いま
)
では
出來
(
でき
)
なくなつて
畢
(
しま
)
つた。
何處
(
どこ
)
の
林
(
はやし
)
でも
落葉
(
おちば
)
を
掻
(
か
)
くことや
青草
(
あをぐさ
)
を
刈
(
か
)
ることが
皆
(
みな
)
錢
(
ぜに
)
に
餘裕
(
よゆう
)
のあるものゝ
手
(
て
)
に
歸
(
き
)
して
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、彼は
未
(
ま
)
だいいだろう、未だいいだろうと思いながら一日延ばしのように、自分の
仕馴
(
しな
)
れた喝采を
獲
(
う
)
るに
極
(
きま
)
った狂言から、脱け出そうと云う気を起さなかったのである。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
五月、燕兵
泗州
(
ししゅう
)
に至る。守将
周景初
(
しゅうけいしょ
)
降
(
くだ
)
る。燕の師進んで
淮
(
わい
)
に至る。
盛庸
(
せいよう
)
防ぐ
能
(
あた
)
わず、戦艦皆燕の
獲
(
う
)
るところとなり、
盱眙
(
くい
)
陥
(
おとしい
)
れらる。燕王諸将の策を排して、
直
(
ただち
)
に
揚州
(
ようしゅう
)
に
趨
(
おもむ
)
く。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
我が出征者は先ず
身体
(
からだ
)
を大切にして病気の敵に勝たなければ戦争においても最後万全の勝利を
獲
(
う
)
る事が出来ません。勝利の
基
(
もと
)
は身体にあります。身体の基は食物にあります。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
祀るものは将軍すでに酔えりといい、それを盤にのせて
湧金
(
ゆうきん
)
門外の金華太侯の廟内に送れば、たちまちにその姿を見うしなう。而して、その家は数日のうちに必ず
獲
(
う
)
るところあり、
云々
(
うんぬん
)
。——
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
十金
(
じっきん
)
を
獲
(
う
)
れば
二十金
(
にじっきん
)
を散ずべき勢いをもって、得るままに
撒
(
ま
)
き散らせり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仕掛けたところで、
獲
(
う
)
るものはなく、却って、後日の不利と存じましたゆえ、むなしく引き揚げ申してござる
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その出づる所を伺い掘れば金玉を
獲
(
う
)
べし、鼠五百歳なればすなわち白し。耳足紅からざるものは常鼠なり。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この銭は箱根の
湯本
(
ゆもと
)
に着くと、もう
遣
(
つか
)
い尽していた。そこで枳園はとりあえず
按摩
(
あんま
)
をした。
上下
(
かみしも
)
十六文の
糈銭
(
しょせん
)
を
獲
(
う
)
るも、なお
已
(
や
)
むにまさったのである。
啻
(
ただ
)
に按摩のみではない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
燕兵勢に乗じて営に
逼
(
せま
)
り火を
縦
(
はな
)
つ。急風火を
扇
(
あお
)
る。
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て南軍
大
(
おおい
)
に
潰
(
つい
)
え、
郭英
(
かくえい
)
等
(
ら
)
は西に
奔
(
はし
)
り、景隆は南に奔る。器械
輜重
(
しちょう
)
、皆燕の
獲
(
う
)
るところとなり、南兵の
横尸
(
おうし
)
百余里に及ぶ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
自分
(
じぶん
)
の
食料
(
しよくれう
)
に
換
(
かへ
)
る
丈
(
だけ
)
の
錢
(
ぜに
)
を
獲
(
う
)
ることが
其
(
そ
)
の
期間
(
きかん
)
の
仕事
(
しごと
)
に
於
(
おい
)
ては
見出
(
みいだ
)
されないのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その代りに、秀吉は、自分への割当を削って、丹波一国を
獲
(
う
)
るにとどめ、また、勝家の取分も減らして
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
財物を
獲
(
う
)
べき利慾はなくなるが知識を進めて公益を謀る念はますます切になる故、一切平等で生活のため後顧せず、安心して発明発見を事とし得ると言ったと聞くが
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
次の一節は頗る長く、大窪天民と喜多可庵との
直話
(
ぢきわ
)
を骨子として、逐年物價が騰貴し、儒者畫家などの金を
獲
(
う
)
ることも容易ならず、
束脩
(
そくしう
)
謝金の高くなることを言つたものである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「無用の将一人をすてても、万里の土地を
獲
(
う
)
れば、いかなる志も後には行うことができるではありませんか」と、口を
酸
(
す
)
くして説いたが、遂に用いられなかったので
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妻、夫に
白
(
もう
)
していわく、わが父の長者、命終に臨める時、宝をもってわれに賜い、今某処にあり、君これを取るべし、と。時に夫掘り取って、大いに珍宝と如意珠を
獲
(
う
)
。
易の占いして金取り出したること
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
故に鼠の腹を
剖
(
さ
)
いて金を
獲
(
う
)
とある。昔インドの王子、朝夕ごとにわれに打たるる女を
妻
(
めと
)
らんというに応ずる者なし。ようやく一人承知した女ありてこれに
嫁
(
とつ
)
ぐ。二、三日して夫新妻を打たんとす。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
獲
常用漢字
中学
部首:⽝
16画
“獲”を含む語句
獲得
捕獲
姑獲鳥
生獲
漁獲
獲物
鹵獲品
鹵獲
獲易
獲難
濫獲
獲物嚢
獲麟
獲来
相獲
臧獲
虜獲
獲寳
獲場
猟獲
...