)” の例文
すべてべからず、たとえば沙を圧して油をもとめ、水をって酥を求むるがごとく、既に得べからずいたずらに自ら労苦すとある。
手島はこれを調達せんと欲して奔走しているが、これをる道がないというのであった。抽斎はこれを聞いて慨然として献金を思い立った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
何もるところなく、表門の潜りまで戻って来ると、木村丈八は、まだそこに立っていて、彼の挙動を不審いぶかるように訊ねた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しばらくの間どもえに争い続けましたが、貧しいお柳は次第に失い、富んだお糸が、次第にるところが多くなったのは言うまでもないことです。
貧乏びんばふ百姓ひやくしやうはいつでもつちにくつゝいて食料しよくれうることにばかり腐心ふしんしてるにもかゝはらず、作物さくもつたはらになればすで大部分だいぶぶん彼等かれら所有しよいうではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
我儕の任ずる所もまたはなはだ重からずや。斃れて後已むに至りては固より我儕の薺甘せいかんする所なりといへども、独り恐らくは真理の終にべからざることを。
故に将士は営に至れば、すなわち休息するを得、いとまあれば王射猟しゃりょうして地勢を周覧し、きんれば将士にわかち、塁を抜くごとにことごとるところの財物をたまう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
松明たいまつをとって進み入ると、深さ四丈ばかりで行き止まりになってしまって、他には抜け路もないらしく、結局なんのるところもなしに引き揚げて来た。
我は心柔和にして謙遜者へりくだるものなれば我軛わがくびきを負て我にならへなんぢら心に平安やすきべし、そはわが軛はやすくわが荷はかろければ也
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ゆゑ彌子びしおこなひいまはじめかはらざるに、まへにはけんとせられて、のちにはつみものは、(一〇九)愛憎あいぞう至變しへんなり
今ここにこれを失わんか、渠はほとんど再びこれをるの道あらざるなり。されども渠はついに失わざるべからざるか、豪放豁達かったつの女丈夫も途方に暮れたりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
... 調べたら多少のる所があるかもしれない。しかし今急に何ともめられんね」小山「ナニも急ぐ事はない。来年になっても構わんからその方針にしておき給え」
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
戦国の群雄が素懐そくわいとした上洛の理想は、尾張に崛起くつきした織田信長によつて遂げられたが、かうして、一躍新武家時代の寵児となつた信長は、上洛の栄誉をると同時に
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
帰国を促す交渉がとうとう破裂しても、西班牙スペインに闘牛があるあいだ、すぺいんを見捨てることは彼女には不可能だった。麺麭パンと入場料をるために彼女は女優になった。
事若し誤らば、この手証は生ながら葬らるべき罪をるに余有るものならずや。さしも覚悟の文ながら、彼はその一通の力を以てただちに貫一の心を解かんとは思設けざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
製法 磨製石斧の製法せいはふは現存石器時代人民のす所につてもるを得れと、遺跡ゐせきに於てる所のけのくぼみ有る石片截り目を存する石斧いしおのにぶきもの刄の鋭きもの
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
英米えいべいせうすれば、靡然ひぜんとして英米えいべいはしり、獨國どくこく勢力せいりよくれば翕然きうぜんとして獨國どくこくき、佛國ふつこく優位いうゐむれば、倉皇さうこうとしてふつしたがふならば、わが獨立どくりつ體面たいめん何處いづこにありや。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
づ北のかた氷寒界の彼方に蒼面白髪の姉妹を尋ね、それに迫つて、西の国で林檎りんごまもれる三人の処女の在所を訊ねよ。処女はゴーゴン・メヂューサの首をるに必要な三つの品を
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
魔を以て魔の浄相を仰ぎ見ようとするのである。鶴見はそういうところに信念の糸を掛けて、自然に随順する生を営んで行こうとしている。つまるところ、無を修して全をる。
あらゆる若い娘たちの先途せんどすなわち到達点、もっと大袈裟おおげさな語でいえば女の修養の目的が是にあったとこは、あらゆる若者が家長の地位をるのを目標に、努力したのも同じである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
庶人念ずれば、疾疫しつえき癘気れいき、家中に入らず。わくを断ち、しょうること、之に過ぎたるはなし。よろしく、天下諸国につげ、男女老少を論ずることなく、口にしずかに、般若波羅蜜多を念誦すべし
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「これ位の金で売るのは、まことに苦しゅうございますが、この話がこわれるようなことがありますと、罪をることになりますから、しかたがありません。大王の仰せのままにいたしましょう。」
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
尺を得れば尺、寸をれば寸と云う信玄流しんげんりゅうの月日を送る田園の人も、夏ばかりは謙信流けんしんりゅう一気呵成いっきかせいを作物の上にあじわうことが出来る。生憎あいにく草も夏は育つが、さりとて草ならぬものも目ざましくしげる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
る所は疑惑とくいのみ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
金貨きんくわ一つをべし。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
シューマン自身の言葉で「世界がかつて見たものの中、最も光栄ある娘」をるために、シューマンは社会的地位と名声を築き上げる決心をした。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
そうした世に生きる人間どもは、必然、功利に溺れ、猜疑さいぎ深く、骨肉相食あいはみ、自己をかえりみず、利をれば身をほろぼし、貧に落つれば、人のみをのろう。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いくさおもむけば必ず大勝利をというたものだが、肝心緊要の場合に間に合わさず、売ってしまったはさっぱり分らぬとジュロールの『巴里パリ記奇』にづ。
それが支那しなの古書であるのは、いま西洋の書ががたくして、そのたまたまべきものがみな戦争をいうがゆえである。これはレセプチイフの一面である。
なかじきり (新字新仮名) / 森鴎外(著)
以前いぜんのやうに天然てんねん肥料ひれうることがいまでは出來できなくなつてしまつた。何處どこはやしでも落葉おちばくことや青草あをぐさることがみなぜに餘裕よゆうのあるものゝしてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、彼はだいいだろう、未だいいだろうと思いながら一日延ばしのように、自分の仕馴しなれた喝采をるにきまった狂言から、脱け出そうと云う気を起さなかったのである。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
五月、燕兵泗州ししゅうに至る。守将周景初しゅうけいしょくだる。燕の師進んでわいに至る。盛庸せいよう防ぐあたわず、戦艦皆燕のるところとなり、盱眙くいおとしいれらる。燕王諸将の策を排して、ただち揚州ようしゅうおもむく。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我が出征者は先ず身体からだを大切にして病気の敵に勝たなければ戦争においても最後万全の勝利をる事が出来ません。勝利のもとは身体にあります。身体の基は食物にあります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
祀るものは将軍すでに酔えりといい、それを盤にのせて湧金ゆうきん門外の金華太侯の廟内に送れば、たちまちにその姿を見うしなう。而して、その家は数日のうちに必ずるところあり、云々うんぬん。——
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
十金じっきんれば二十金にじっきんを散ずべき勢いをもって、得るままにき散らせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仕掛けたところで、るものはなく、却って、後日の不利と存じましたゆえ、むなしく引き揚げ申してござる
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その出づる所を伺い掘れば金玉をべし、鼠五百歳なればすなわち白し。耳足紅からざるものは常鼠なり。
この銭は箱根の湯本ゆもとに着くと、もうつかい尽していた。そこで枳園はとりあえず按摩あんまをした。上下かみしも十六文の糈銭しょせんるも、なおむにまさったのである。ただに按摩のみではない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
燕兵勢に乗じて営にせまり火をはなつ。急風火をあおる。ここおいて南軍おおいついえ、郭英かくえいは西にはしり、景隆は南に奔る。器械輜重しちょう、皆燕のるところとなり、南兵の横尸おうし百余里に及ぶ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
自分じぶん食料しよくれうかへだけぜにることが期間きかん仕事しごとおいては見出みいだされないのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その代りに、秀吉は、自分への割当を削って、丹波一国をるにとどめ、また、勝家の取分も減らして
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
財物をべき利慾はなくなるが知識を進めて公益を謀る念はますます切になる故、一切平等で生活のため後顧せず、安心して発明発見を事とし得ると言ったと聞くが
次の一節は頗る長く、大窪天民と喜多可庵との直話ぢきわを骨子として、逐年物價が騰貴し、儒者畫家などの金をることも容易ならず、束脩そくしう謝金の高くなることを言つたものである。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「無用の将一人をすてても、万里の土地をれば、いかなる志も後には行うことができるではありませんか」と、口をくして説いたが、遂に用いられなかったので
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妻、夫にもうしていわく、わが父の長者、命終に臨める時、宝をもってわれに賜い、今某処にあり、君これを取るべし、と。時に夫掘り取って、大いに珍宝と如意珠を
故に鼠の腹をいて金をとある。昔インドの王子、朝夕ごとにわれに打たるる女をめとらんというに応ずる者なし。ようやく一人承知した女ありてこれにとつぐ。二、三日して夫新妻を打たんとす。