“靡然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひぜん50.0%
びぜん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこへ大原君が帰って来てあの誠実と熱心とを以てさかんに家庭改良を唱えたら天下靡然ひぜんとしてこれに従うだろう。実に愉快だな。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
英米えいべいせうすれば、靡然ひぜんとして英米えいべいはしり、獨國どくこく勢力せいりよくれば翕然きうぜんとして獨國どくこくき、佛國ふつこく優位いうゐむれば、倉皇さうこうとしてふつしたがふならば、わが獨立どくりつ體面たいめん何處いづこにありや。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ああわが邦人の美術文学に対する鑑識の極めて狭小薄弱なる一度ひとたび新来の珍奇に逢著ほうちゃくすれば世を挙げて靡然びぜんとしてこれにおもむき、また自己本来の特徴を顧みるの余裕なし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ブウシエをわらつて俗漢とす。あにあへて難しとせんや。遮莫さもあらばあれ千年ののち、天下靡然びぜんとしてブウシエのけんおもむく事無しと云ふ可らず。白眼はくがん当世におごり、長嘯ちやうせう後代を待つ、またこれ鬼窟裡きくつりの生計のみ。