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拊
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う
ふりがな文庫
“
拊
(
う
)” の例文
さて、題だが……題は何としよう?
此奴
(
こいつ
)
には昔から
附倦
(
つけあぐ
)
んだものだッけ……と思案の末、
礑
(
はた
)
と膝を
拊
(
う
)
って、平凡! 平凡に、限る。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
われを
目
(
もく
)
して「
骨董
(
こつとう
)
好き」と言ふ、誰か
掌
(
たなごころ
)
を
拊
(
う
)
つて
大笑
(
たいせう
)
せざらん。唯われは古玩を愛し、古玩のわれをして
恍惚
(
くわうこつ
)
たらしむるを知る。
わが家の古玩
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
茶棚に
背後
(
うしろ
)
向きになった肩を
拊
(
う
)
つばかり、ハタとそこへ、縁起棚から輝いて落ちたのは、清葉が、
前
(
さき
)
に
翳
(
かざ
)
したままそこにさし置いた舞扇で。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬の前足は大方仰ぐのみなれど、ともすれば又暫し阪道を降る心地す。茂りあひたる梢は頻りに我頬を
拊
(
う
)
てり。道なき處をや
騎
(
の
)
り行くらん
覺束
(
おぼつか
)
なし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼らが目を見合わせてうなずいたり
膝
(
ひざ
)
を
拊
(
う
)
ったりしたことでも、我々には何の事やら
合点
(
がてん
)
の行かぬことが、多かったとしても不思議はないのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
つと寄りて
軽
(
かろ
)
く宮の肩を
拊
(
う
)
ちぬ。宮は
忽
(
たちま
)
ち
面
(
おもて
)
を
紅
(
あか
)
めて、
如何
(
いか
)
にとも
為
(
せ
)
ん
術
(
すべ
)
を知らざらんやうに
立惑
(
たちまど
)
ひてゐたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此
(
これ
)
皆
開平
(
かいへい
)
の東北の地なり。時に
余瑱
(
よてん
)
居庸関
(
きょようかん
)
を守る。王曰く、居庸は
険隘
(
けんあい
)
にして、北平の
咽喉
(
いんこう
)
也、敵
此
(
ここ
)
に
拠
(
よ
)
るは、
是
(
こ
)
れ我が
背
(
はい
)
を
拊
(
う
)
つなり、急に取らざる可からずと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼が水戸を押えて京都を圧したるが如き、あたかもこれ
吭
(
のど
)
を
縊
(
い
)
して背を
拊
(
う
)
つの政策にして、眼快ならざるにあらず、手利ならざるにあらず。
然
(
しか
)
れども彼は
自
(
みず
)
から大勢調子の外に立てり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「鳴かぬ烏の闇に
滅
(
め
)
り込むまでは……」と六尺一寸の身をのして胸板を
拊
(
う
)
つ。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
婢
(
ひ
)
あり別れを惜みて
伏水
(
ふしみ
)
に至る。兵士
環
(
めぐ
)
つて之を
視
(
み
)
る。南洲輿中より之を招き、其背を
拊
(
う
)
つて曰ふ、
好在
(
たつしや
)
なれと、金を
懷中
(
くわいちゆう
)
より出して之に與へ、
旁
(
かたは
)
ら人なき若し。兵士
太
(
はなは
)
だ其の情を
匿
(
かく
)
さざるに服す。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
昼
(
ひる
)
領
(
し
)
らす神か
拊
(
う
)
たせる
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「ええひどい蚊だ」
膝
(
ひざ
)
のあたりをはたと
拊
(
う
)
てり。この音にや驚きけん、馭者は
眼覚
(
めさ
)
まして、
叭
(
あくび
)
まじりに
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
絵は
蕭索
(
せうさく
)
とした裸の樹を、
遠近
(
をちこち
)
と
疎
(
まばら
)
に描いて、その中に
掌
(
たなごころ
)
を
拊
(
う
)
つて談笑する二人の男を立たせてゐる。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大太皷
(
おほだいこ
)
人は
拊
(
う
)
ちつけ
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と
莞爾
(
にっこり
)
した、その唇の紅を染めたように、酸漿を指に取って、
衣紋
(
えもん
)
を
軽
(
かろ
)
く
拊
(
う
)
ちながら
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
惲王
(
うんおう
)
の両大家は、
掌
(
たなごころ
)
を
拊
(
う
)
って一笑した。
秋山図
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
媛神 ほほほほ、(
微笑
(
ほほえ
)
みつつ寄りて、蘆毛の
鼻頭
(
はなづら
)
を軽く
拊
(
う
)
つ)何だい、お前まで。(駒、
高嘶
(
たかいなな
)
きす)〔——この時、看客の
笑声
(
しょうせい
)
あるいは静まらん。
然
(
しか
)
らんには、この戯曲なかば成功たるべし。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かく言いてその友は投出したる
膝
(
ひざ
)
を
拊
(
う
)
てり。学生は天を仰ぎて笑えり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
欣弥は手招けば、白糸は
微笑
(
ほおえ
)
む。その肩を車夫はとんと
拊
(
う
)
ちて
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と横を向いて
卓子台
(
ちゃぶだい
)
を
幽
(
かすか
)
に
拊
(
う
)
って
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
へいげん美人の肩を
拊
(
う
)
ちて
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白糸は
軽
(
かろ
)
く小
膝
(
ひざ
)
を
拊
(
う
)
ちて
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
拊
漢検1級
部首:⼿
8画
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拊循
拊石