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浮
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う
ふりがな文庫
“
浮
(
う
)” の例文
ぼくは、そうきくと、
物心
(
ものごころ
)
のつかない
幼時
(
ようじ
)
のことだけれど、なんとなく、いじらしい
兄
(
あに
)
のすがたが
目
(
め
)
に
浮
(
う
)
かんで、
悲
(
かな
)
しくなるのです。
兄の声
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大きな
竹藪
(
たけやぶ
)
のかげに水たまりがあって、
睡蓮
(
すいれん
)
の花が白く
浮
(
う
)
いているようなところを見ながら、朝風を切って汽車が走るのであった。
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
その
代
(
か
)
わり一つお
願
(
ねが
)
いがあります。どうぞくすのきで
舟
(
ふね
)
をこしらえて、
水
(
みず
)
をいっぱい
入
(
い
)
れて、その中にささの
葉
(
は
)
を
浮
(
う
)
かべて
下
(
くだ
)
さい。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
押
(
おし
)
入の
暗闇
(
くらがり
)
で赤色
燈
(
とう
)
に
現像皿
(
げんぞうさら
)
をかざしてみながら、いかに
私
(
わたし
)
は
歡喜
(
くわんき
)
の笑みを
浮
(
う
)
かべたことであらうか?それからけふまでもう二十
余
(
よ
)
年
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ロミオ (炬火持に對ひ)
俺
(
おれ
)
に
炬火
(
たいまつ
)
を
與
(
く
)
れい。
俺
(
おれ
)
には
迚
(
とて
)
も
浮
(
う
)
かれた
眞似
(
まね
)
は
出來
(
でき
)
ぬ。
餘
(
あんま
)
り
氣
(
き
)
が
重
(
おも
)
いによって、
寧
(
いっ
)
そ
明
(
あかる
)
いものを
持
(
も
)
たう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
継
(
つ
)
ぎ合はして考へて見ると、人生と云ふ丈夫さうな
命
(
いのち
)
の
根
(
ね
)
が、知らぬ
間
(
ま
)
に、ゆるんで、
何時
(
いつ
)
でも
暗闇
(
くらやみ
)
へ
浮
(
う
)
き出して行きさうに思はれる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あなやと
思
(
おも
)
ふと
更
(
さら
)
に、もとの
顔
(
かほ
)
も、
胸
(
むね
)
も、
乳
(
ちゝ
)
も、
手足
(
てあし
)
も
全
(
まツた
)
き
姿
(
すがた
)
となつて、
浮
(
う
)
いつ
沈
(
しづ
)
みつ、ぱツと
刻
(
きざ
)
まれ、あツと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に
又
(
また
)
あらはれる。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
よろめくように
立上
(
たちあが
)
ったおせんは、
窓
(
まど
)
の
障子
(
しょうじ
)
に
手
(
て
)
をかけた。と、その
刹那
(
せつな
)
、
低
(
ひく
)
いしかも
聞
(
き
)
き
慣
(
な
)
れない
声
(
こえ
)
が、
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
から
浮
(
う
)
き
上
(
あが
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それで、湖の上に
浮
(
う
)
いていることもよくあるのです。けれども、ヤッローはその小島に立って、その巣をじっと見つめていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
読者は上述の説明を読んでどういう風な
面立
(
おもだ
)
ちを
浮
(
う
)
かべられたか
恐
(
おそ
)
らく物足りないぼんやりしたものを心に
描
(
えが
)
かれたであろうが
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
が、よく考えてみると、啓吉自身も、群衆が持っていたような、
浮
(
う
)
いた好奇心を、全然持っていなかったとは、云われなかったのである。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
博士
(
はくし
)
の
全身
(
ぜんしん
)
の
血
(
ち
)
が、さっとひいていくようだった。かれの頭には、その時、夕方
書斎
(
しょさい
)
できいたピストルの音が、ありありと
浮
(
う
)
かんでいた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
博士は数へた片手を
中
(
ちゆう
)
に
浮
(
う
)
けたまゝ、世間が厭になつたやうな顔をして棒立になつてゐたが、暫くするとぐつと唾を飲み込んだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「眼に立つや海青々と北の秋」左の
窓
(
まど
)
から見ると、津軽海峡の青々とした一帯の
秋潮
(
しゅうちょう
)
を隔てゝ、
遙
(
はるか
)
に津軽の地方が水平線上に
浮
(
う
)
いて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
東の池に船などを
浮
(
う
)
けて、御所の
鵜
(
う
)
飼い役人、院の鵜飼いの者に鵜を
下
(
お
)
ろさせてお置きになった。小さい
鮒
(
ふな
)
などを鵜は取った。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「君が惡いんだよ」と、大野は片手を下向きに火鉢の少し上に
浮
(
う
)
けて、それを上下すると同時に幾度も首を小刻みに動かした。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
そしてまた
再
(
ふたた
)
び
浮
(
う
)
き
上
(
あが
)
って
来
(
き
)
ましたが、
今
(
いま
)
はもう、さっきの
鳥
(
とり
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
な
気持
(
きもち
)
にすっかりとらわれて、
我
(
われ
)
を
忘
(
わす
)
れるくらいです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
とおどろいたせつなに、
小文治
(
こぶんじ
)
の馬も
屏風
(
びょうぶ
)
だおれにぶったおれた。
朱柄
(
あかえ
)
の
槍先
(
やりさき
)
をつかんでいた呂宋兵衛も、それにつれてからだを
浮
(
う
)
かした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
またの下からさかさまに見ると、曲馬小屋はまた
一段
(
いちだん
)
と美しくはなやかに、まるで空中に
浮
(
う
)
かんだ
御殿
(
ごてん
)
のように見えました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
そこで新工夫が
浮
(
う
)
かんだ。
私
(
わたし
)
はわかい
牝牛
(
めうし
)
をほふってその死体のまわりに、わざと地上にむきだしにしたわなを二つおいた。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
すると、やがて大きなあわがひとつぽっくりと
浮
(
う
)
かんで、ぽっと消えると、後からまた、小さなあわが、ぶくぶくと、たくさん浮かんできます。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
きっと、まっさおな
顔
(
かお
)
をしていたのにちがいありません。マレイは
不安
(
ふあん
)
そうな
笑
(
わら
)
いを
浮
(
う
)
かべてわたしの顔を見ていました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
里子
(
さとご
)
時代に、
乳母
(
うば
)
の家族と
狭
(
せま
)
くるしい一室で
暮
(
く
)
らしていたころの光景までが、おりおりかれの眼に
浮
(
う
)
かんでいたのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
同
(
おな
)
じ
憂
(
う
)
き
中
(
なか
)
にも
身
(
み
)
の
樂
(
らく
)
なれば、
此樣
(
こん
)
な
事
(
こと
)
して
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
る、
夢
(
ゆめ
)
さら
浮
(
う
)
いた
心
(
こゝろ
)
では
無
(
な
)
けれど
言甲斐
(
いひがひ
)
のないお
袋
(
ふくろ
)
と
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
は
定
(
さだ
)
めし
爪
(
つま
)
はじきするであらう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其處
(
そこ
)
には
又
(
また
)
此
(
こ
)
れも
春
(
はる
)
のやうな
日
(
ひ
)
に
騙
(
だま
)
されて、
疾
(
とう
)
から
鳴
(
な
)
かなく
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
た
蛙
(
かへる
)
がふわりと
浮
(
う
)
いてはこそつぱい
稻
(
いね
)
の
穗
(
ほ
)
に
捉
(
つかま
)
りながらげら/\と
鳴
(
な
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
すなわち
浮
(
う
)
かれ
人
(
びと
)
や
浮
(
う
)
かれ
女
(
め
)
は、一定の居所を定めずして、次へ次へと浮かれあるいて行く人々であったのであります。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
余はコロボックルの
遺物
(
いぶつ
)
たる是等の角噐は
實
(
じつ
)
に
浮
(
う
)
き
袋
(
ぶくろ
)
の口として用ゐられしならんと
信
(
しん
)
ずるなり。圖に
示
(
しめ
)
す物は余が西ヶ原に於て
發見
(
はつけん
)
せし所なり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「よしツ、もう決心した。これから俺は東京市民にならなければならないんだからね、
浮
(
う
)
か/\してもゐられまい。」
蝉
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
二人
(
ふたり
)
は
默
(
だま
)
る。
厨房
(
くりや
)
からダリユシカが
鈍
(
にぶ
)
い
浮
(
う
)
かぬ
顏
(
かほ
)
で
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
片手
(
かたて
)
で
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を
爲
(
し
)
て、
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かうと
戸口
(
とぐち
)
に
立留
(
たちどま
)
つてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そして、はるばると
大和
(
やまと
)
まで運ばせて、
市師
(
いちし
)
の池という池にお
浮
(
う
)
かべになり、その中へごいっしょにお乗りになって、皇子をお遊ばせになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
マスノや小ツルさえ、
困惑
(
こんわく
)
の色を
浮
(
う
)
かべていた。彼女たちにしても、泣きだしたかったのだ。しかし泣けなかった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
だろうか、と
云
(
い
)
うのは、彼のかつて見、
触
(
ふ
)
れ、経験した事物が今彼の眼前に蘇って来るだけで、その頃の彼自身の姿は一向に
浮
(
う
)
かんでこないからである。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ジョバンニは、いつか町はずれのポプラの木が
幾本
(
いくほん
)
も
幾本
(
いくほん
)
も、高く星ぞらに
浮
(
う
)
かんでいるところに来ていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あゝ
是
(
こ
)
れ『
浮
(
う
)
きたる
心
(
こゝろ
)
』だらうか、
何故
(
なにゆゑ
)
に
自然
(
しぜん
)
を
愛
(
あい
)
する
心
(
こゝろ
)
は
清
(
きよ
)
く
高
(
たか
)
くして、
少女
(
せうぢよ
)
(
人間
(
にんげん
)
)を
戀
(
こ
)
ふる
心
(
こゝろ
)
は『
浮
(
う
)
きたる
心
(
こゝろ
)
』、『いやらしい
心
(
こゝろ
)
』、『
不健全
(
ふけんぜん
)
なる
心
(
こゝろ
)
』
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
桟橋の下にはたくさん
藻
(
も
)
や
塵芥
(
じんかい
)
が
浮
(
う
)
いていた。その藻や塵芥の下を
潜
(
くぐ
)
って
影
(
かげ
)
のような魚がヒラヒラ動いている。帰って来た船が
鳩
(
はと
)
のように胸をふくらませた。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
浮
(
う
)
き
寢
(
ね
)
といふのは、
水鳥
(
みづとり
)
が、
波
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
で
寢
(
ね
)
ることから
移
(
うつ
)
つて
來
(
き
)
て、
人間
(
にんげん
)
にも、
舟旅
(
ふなたび
)
の
夜泊
(
よどま
)
りの
場合
(
ばあひ
)
に
用
(
もち
)
ひます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ざわざわ鳴り続け出した蘆洲の、ところどころ幾筋も風筋に当る部分は吹き
倒
(
たお
)
れて
泡
(
あわ
)
をたくさん
浮
(
う
)
かした上げ潮が
凪
(
な
)
ぎあとの蘆洲の根方にだぶつくのが
覗
(
のぞ
)
ける。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
熱
(
ねつ
)
がモウ少し
浮
(
う
)
かないでは直りますまいよ。「御心配なさいますな、
明日
(
みやうにち
)
はキツと御発カンでございます。 ...
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
槐
(
えんじゅ
)
の下の大きな
水鉢
(
みずばち
)
には、すいれんが
水面
(
すいめん
)
にすきまもないくらい、
丸
(
まる
)
い
葉
(
は
)
を
浮
(
う
)
けて花が一
輪
(
りん
)
咲
(
さ
)
いてる。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
で、彼れは自分の家へ歸りかけた足を轉じて、
浮
(
う
)
つかり電車に乘つた。妹に會つたつて何の甲斐もないとは思ひながら、妹の嫁いでゐる櫻田町の北川の家へ向つた。
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
女中は急に
欠伸
(
あくび
)
をして、私眠くなって来たわ、ああいい気持、体が宙に
浮
(
う
)
きそう、少しここで横にならせて下さいね。蒲団の
裾
(
すそ
)
を
枕
(
まくら
)
にすると、もう前後不覚だった。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
次に國
稚
(
わか
)
く、
浮
(
う
)
かべる
脂
(
あぶら
)
の如くして
水母
(
くらげ
)
なす
漂
(
ただよ
)
へる時に、
葦牙
(
あしかび
)
五
のごと
萠
(
も
)
え
騰
(
あが
)
る物に因りて成りませる神の名は、
宇摩志阿斯訶備比古遲
(
うましあしかびひこぢ
)
の神
六
。次に
天
(
あめ
)
の
常立
(
とこたち
)
の神
七
。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
さまざまな紅だの黄だのの花とすれすれの高さに、しかしそれだけくっきりと
浮
(
う
)
いて見えている。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
山下先生に別れると、額にかかつてゐた
髮
(
かみ
)
をうしろへ
掻
(
か
)
きあげて、
豐富
(
ほうふ
)
な
髮
(
かみ
)
の毛が外にはみ出さぬ樣に丁
寧
(
ねい
)
に
帽子
(
ぼうし
)
をかむり石を
蹴
(
け
)
つてひよいと體を
浮
(
う
)
かしまた走り出した。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
地震
(
ぢしん
)
が
如何
(
いか
)
なる
有樣
(
ありさま
)
に
於
(
おい
)
て
家屋
(
かをく
)
を
震盪
(
しんたう
)
し、
潰倒
(
くわいたう
)
するかを
觀察
(
くわんさつ
)
し
破壞
(
はくわい
)
した
家屋
(
かおく
)
についてその
禍根
(
くわこん
)
を
闡明
(
せんめゐ
)
するの
科學的知識
(
くわがくてきちしき
)
がなければ、これに
對
(
たい
)
する
防備的考察
(
ばうびてきかうさつ
)
は
浮
(
う
)
かばない。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
そしてその部屋には、土や石で
築
(
きず
)
いた寝台のようなものがあり、壁にはさまざまの
浮
(
う
)
き
彫
(
ぼ
)
りで、絵画や模様らしきものや
不可解
(
ふかかい
)
な古代文字のようなものが
刻
(
きざ
)
まれてあった。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それで
先
(
ま
)
づ
樽
(
たる
)
の
貝塚
(
かひづか
)
が
探檢
(
たんけん
)
したくなつたので、四十一
年
(
ねん
)
六
月
(
ぐわつ
)
四
日
(
か
)
、
樽
(
たる
)
に
行
(
ゆ
)
つて
見
(
み
)
た。
然
(
しか
)
るに
今
(
いま
)
は
全滅
(
ぜんめつ
)
して、
僅
(
わづ
)
かに
畠
(
はたけ
)
に
貝殼
(
かひがら
)
が
點々
(
てん/\
)
浮
(
う
)
いて
居
(
ゐ
)
る
位
(
くら
)
ゐで、
迚
(
とて
)
も
層
(
そう
)
を
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ぬ。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
ふと王子のお顔をあおいで見ますと王子はやさしいにこやかな
笑
(
え
)
みを
浮
(
う
)
かべてオパールというとうとい石のひとみで燕をながめておいでになりました。燕はふと身をすりよせて
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
今思へば愚かなる夢ごごろなりし。されども
四三
人の水に
浮
(
う
)
かぶは、魚のこころよきにはしかず。ここにて又魚の遊びをうらやむこころおこりぬ。
傍
(
かたはら
)
にひとつの
大魚
(
まな
)
ありていふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
はてしもなくつづく
浅霞
(
あさかすみ
)
……
水
(
みず
)
と
空
(
そら
)
との
融
(
と
)
け
合
(
あ
)
うあたりにほのぼのと
浮
(
う
)
く
遠山
(
とおやま
)
の
影
(
かげ
)
……それはさながら一
幅
(
ぷく
)
の
絵巻物
(
えまきもの
)
をくりひろげたような、
実
(
じつ
)
に
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
えぬ
絶景
(
ぜっけい
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
浮
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
“浮”を含む語句
浮雲
浮標
浮出
浮々
浮木
浮腫
浮浪者
浮彫
浮上
浮浪
浮気
浮沈
浮島
浮華
浮城
浮気者
浮脂
浮世
浮舟
浮橋
...