“水鉢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みずばち66.7%
みづばち33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
えんじゅの下の大きな水鉢みずばちには、すいれんが水面すいめんにすきまもないくらい、まるけて花が一りんいてる。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
母家おもやから別れたその小さな低い鱗葺こけらぶきの屋根といい、竹格子の窓といい、入口いりくちの杉戸といい、殊に手を洗う縁先の水鉢みずばち柄杓ひしゃく、そのそばには極って葉蘭はらん石蕗つわぶきなどを下草したくさにして
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私は、時々彼女を見た。彼女は水鉢みづばちかお皿か或はお盆を手にして自分の部屋から出て來ると臺所へ降りて行つて、直ぐに歸つて來るのが常だつた。
私は幾度も/\手を血と水の混つた水鉢みづばちに浸してしたゝる血を拭ひ去らねばならなかつた。