トップ
>
産
>
う
ふりがな文庫
“
産
(
う
)” の例文
「いい
子供
(
こども
)
が
産
(
う
)
まれて、
親木
(
おやぎ
)
は、それで
満足
(
まんぞく
)
して、
枯
(
か
)
れていくんですよ。
人間
(
にんげん
)
も、かわりはありません。」と、
母
(
はは
)
はいわれたのです。
親木と若木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
案ずるより
産
(
う
)
むが安い。さすがの竜之助もその心置きなき主人の気質がしのばれて、この時ばかりは涙のこぼれるほど
嬉
(
うれ
)
しかった。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
案
(
あん
)
ずるよりは
産
(
う
)
むが
易
(
やす
)
いとはよく云ったものです。
寝惚
(
ねぼ
)
けた遠藤は、恐ろしい毒薬を飲み込んだことを少しも気附かないのでした。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
揚子江
(
ようすこう
)
の水で
産
(
う
)
ぶ
湯
(
ゆ
)
をつかい、
大江
(
たいこう
)
の
河童
(
かっぱ
)
といわれたくらいな者で、水の中に
浸
(
つか
)
ったままでも二タ晩や三晩は平気な男なのである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わが子よ。お前を
産
(
う
)
んだ、おろかなる父が、お前への愛情故に、かくのごとく
悩
(
なや
)
み苦しんだということを忘れてはなるまい。云々
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
▼ もっと見る
それから皮の
薄紅
(
うすあか
)
いのと白いのがありますね、薄紅いのは
肉用鶏
(
にくようけい
)
の
産
(
う
)
んだので白いのは産卵鶏の産んだのですから白い方が
遥
(
はるか
)
に上等です。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
その
広
(
ひろ
)
さ一尺あまり、
深
(
ふか
)
さ七八寸、長さ一丈あまり、数日にしてこれを作る。つくりをはれば
女魚
(
めな
)
そのなかへ
鮞
(
こ
)
を一
粒
(
つぶ
)
づゝ
産
(
う
)
む。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
(註一)母は伝吉を
産
(
う
)
んだ翌年、病死してしまったと云うものもある。あるいはまた
情夫
(
じょうふ
)
の出来たために出奔してしまったと云うものもある。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
媒妁人
(
ばいしやくにん
)
が
只
(
たゞ
)
酒
(
さけ
)
を
飮
(
の
)
んで
騷
(
さわ
)
いだ
丈
(
だけ
)
であつた。お
品
(
しな
)
は
間
(
ま
)
もなく
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
を
産
(
う
)
んだ。それがおつぎであつた。
季節
(
きせつ
)
は
暮
(
くれ
)
の
押
(
お
)
し
詰
(
つま
)
つた
忙
(
いそが
)
しい
時
(
とき
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
獰惡
(
だうあく
)
な
野良猫
(
のらねこ
)
、お
隣
(
とな
)
りの
鷄
(
とり
)
を
全滅
(
ぜんめつ
)
させた
惡
(
わる
)
いヤツ、
家
(
うち
)
の
鯛
(
たひ
)
をさらつた
盜癖
(
とうへき
)
のある
畜生
(
ちくせう
)
、それが
産
(
う
)
んだ
兒
(
こ
)
は、このやさしい
美
(
うつく
)
しいニヤン
公
(
こう
)
である。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
実界にのみ馳求する思想は、高遠なる思慕を
産
(
う
)
まず、我恋愛道の、肉情を先にして真正の愛情を後にする所以、
茲
(
こゝ
)
に起因するところ少しとせず。
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
月
(
つき
)
雪
(
ゆき
)
花
(
はな
)
は
魯
(
おろ
)
か
犬
(
いぬ
)
が
子
(
こ
)
を
産
(
う
)
んだとては
一句
(
いつく
)
を
作
(
つく
)
り
猫
(
ねこ
)
が
肴
(
さかな
)
を
窃
(
ぬす
)
んだとては
一杯
(
いつぱい
)
を
飲
(
の
)
み
何
(
なに
)
かにつけて
途方
(
とはう
)
もなく
嬉
(
うれ
)
しがる事おかめが
甘酒
(
あまざけ
)
に
酔
(
ゑ
)
ふと
仝
(
おな
)
じ。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
夢
(
ゆめ
)
は
五臟
(
ござう
)
のわづらひといひ
傳
(
つた
)
ふれども
正夢
(
しやうむ
)
にして
賢人
(
けんじん
)
聖人
(
せいじん
)
或は
名僧
(
めいそう
)
知識
(
ちしき
)
の人を
産
(
う
)
むは
天竺
(
てんぢく
)
唐土
(
もろこし
)
我朝
(
わがてう
)
ともにその
例
(
ため
)
し
少
(
すく
)
なからず
已
(
すで
)
に
玄奘法師
(
げんさうほふし
)
は夢を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
牛の前には赤飯を盛つた盆が供へられ、そのわきになみ/\と「
産
(
う
)
ぶ湯」の水をたゝへた
飼桶
(
かひばをけ
)
が置いてあり、その水に灯かげが
赭
(
あか
)
く映つてゐた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
土臺木つ葉旗本などが御大層に——家名を絶やさない爲、——
云々
(
うんぬん
)
と勝手な理由をつけて、碌でもない子を
幾腹
(
いくはら
)
も
産
(
う
)
ませるなんざ僭上の沙汰だよ。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
辰子はいはれなく、母が自分を
産
(
う
)
んだわけも大方それと同じやうな事情からだらうと、思はないわけには行かなかつた。
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
産
(
う
)
んで下すった礼を言うのに、
唯
(
ただ
)
御機嫌
好
(
よ
)
うとさえ言えば
可
(
い
)
いと、父から言いつかって、
枕頭
(
まくらもと
)
に手を
支
(
つ
)
いて、
其処
(
そこ
)
へ。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白君は先日玉のような子猫を四疋
産
(
う
)
まれたのである。ところがそこの
家
(
うち
)
の書生が三日目にそいつを裏の池へ持って行って四疋ながら棄てて来たそうだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
五六 上郷村の何某の家にても川童らしき物の子を
産
(
う
)
みたることあり。
確
(
たしか
)
なる証とてはなけれど、
身内
(
みうち
)
真赤
(
まっか
)
にして口大きく、まことにいやな子なりき。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その相手の女さえ来てくれると、それで準備は完了したのだ。さあオリオン星座附近で、新しい遊星を見付けて降下しよう。そこでお前は、幾人もの
仔
(
こ
)
を
産
(
う
)
むのだ。
遊星植民説
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ラプンツェルは、その
後
(
ご
)
、
男
(
おとこ
)
と
女
(
おんな
)
の
双生児
(
ふたご
)
を
産
(
う
)
んで、この
沙漠
(
さばく
)
の
中
(
なか
)
に、
悲
(
かな
)
しい
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
って
居
(
い
)
たのです。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
そこでお
産
(
う
)
まれになつた御子の名をアマツヒコヒコナギサタケウガヤフキアヘズの命と申し上げます。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
この
鳥
(
とり
)
について
面白
(
おもしろ
)
いことは、
鳩
(
はと
)
やかさゝぎ、
栗鼠等
(
りすなど
)
の
造
(
つく
)
つた、
古
(
ふる
)
い
巣
(
す
)
にはひつて
卵
(
たまご
)
を
産
(
う
)
むことです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
僕は、いままでに、一人も子供がないンで、どうしても
産
(
う
)
んでほしいと思ふンだ。おせいの問題も、長続きはしないし、家さへみつかれば、いまにも引越したい位だ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
自分
(
じぶん
)
で
籠
(
かご
)
に
乘
(
の
)
つて、
綱
(
つな
)
で
高
(
たか
)
い
屋
(
や
)
の
棟
(
むね
)
にひきあげさせて、
燕
(
つばめ
)
が
卵
(
たまご
)
を
産
(
う
)
むところをさぐるうちに、ふと
平
(
ひら
)
たい
物
(
もの
)
をつかみあてたので、
嬉
(
うれ
)
しがつて
籠
(
かご
)
を
降
(
おろ
)
す
合圖
(
あひず
)
をしたところが
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
俺は俺だけのことをしたのであるけれどそれが全く
空
(
くう
)
に帰したとなると、俺の行為は結果を
産
(
う
)
まない行為である。いや結果は産んだ。泥棒をして盗ませると云ふ結果だけは。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
私どもははじめ世の欲を去ってイエスを信じる時に、出てゆく悪鬼のために烈しく
痙攣
(
けいれん
)
を起こさされ、大きな
産
(
う
)
みの苦しみをしますが、信じた後にも何度か熱病にかかります。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
頭脳の
機関
(
からくり
)
が手早く働いてねうちのあるものを
産
(
う
)
み出せる友達を持ちたがった。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
父
(
とう
)
さんはお
家
(
うち
)
の
裏木戸
(
うらきど
)
の
外
(
そと
)
をさん/″\
遊
(
あそ
)
び
廻
(
まは
)
りまして、
木戸
(
きど
)
のところまで
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
ますと、
高
(
たか
)
い
枳殼
(
からたち
)
の
木
(
き
)
の
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
に
卵
(
たまご
)
でも
産
(
う
)
みつけようとして
居
(
ゐ
)
るやうな
大
(
おほ
)
きな
黒
(
くろ
)
い
蝶々
(
てふ/\
)
を
見
(
み
)
つけました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
昔
(
むかし
)
、「う」のお
母
(
かあ
)
さんが
子供
(
こども
)
を
産
(
う
)
む
時
(
とき
)
、
近所
(
きんじよ
)
に
火事
(
くわじ
)
があつたんで、たべかけてゐた
魚
(
さかな
)
を「う
呑
(
のみ
)
」にして
迯
(
にげ
)
だしたさうです。ほんとだかどうだか
知
(
し
)
りません。うそだと
思
(
おも
)
つたら
先生
(
せんせい
)
に
訊
(
き
)
いてごらん。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
足下
(
きみ
)
は
昨夜
(
ゆうべ
)
はマブ
媛
(
ひめ
)
(夢妖精)とお
臥
(
ね
)
やったな!
彼奴
(
あいつ
)
は
妄想
(
もうざう
)
を
産
(
う
)
まする
産婆
(
さんば
)
ぢゃ、
町年寄
(
まちどしより
)
の
指輪
(
ゆびわ
)
に
光
(
ひか
)
る
瑪瑙玉
(
めなうだま
)
よりも
小
(
ちひ
)
さい
姿
(
すがた
)
で、
芥子粒
(
けしつぶ
)
の一
群
(
ぐん
)
に
車
(
くるま
)
を
牽
(
ひか
)
せて、
眠
(
ねぶ
)
ってゐる
人間
(
にんげん
)
の
鼻柱
(
はなばしら
)
を
横切
(
よこぎ
)
りをる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
むかし、
雄略天皇
(
ゆうりやくてんのう
)
の
御時
(
おんとき
)
、
河内
(
かはち
)
の
安宿郡
(
あすかべぐん
)
の
人
(
ひと
)
に
田邊伯孫
(
たなべはくそん
)
といふ
人
(
ひと
)
がありまして、その
娘
(
むすめ
)
が
古市郡
(
ふるいちぐん
)
の
人
(
ひと
)
へかたづいてゐましたが、ちょうど
赤
(
あか
)
ちゃんを
産
(
う
)
んだので、
伯孫
(
はくそん
)
はお
祝
(
いは
)
ひにその
家
(
いへ
)
へ
行
(
ゆ
)
きました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その年に、母は赤ん坊を
産
(
う
)
んだ。私達は
兄妹
(
きょうだい
)
五人となった。
産
(
うま
)
れた男の子を、子守りするために、私は学校を休む日が、まえより多くなった。ともすると一週間ぐらいぶっとおしに休むことがあった。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
産
(
う
)
んじゃったんだって——だからあたいは地震っ子て呼ばれてらあ
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
生
(
いのち
)
を
産
(
う
)
みて、神を仰ぎ見る時は、
永生
(
えいせい
)
を生ずればなり。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
観劇は案じるよりも
産
(
う
)
みやすかった。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いつか
産
(
う
)
みしと人知らぬ
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
あの
子
(
こ
)
を
産
(
う
)
んで
お月さまいくつ
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鬼子
(
おにこ
)
とよべど
鳶
(
とび
)
が
産
(
う
)
んだるおたかとて
今年
(
ことし
)
二八
(
にはち
)
のつぼみの
花色
(
はないろ
)
ゆたかにして
匂
(
にほひ
)
濃
(
こま
)
やかに
天晴
(
あつぱ
)
れ
當代
(
たうだい
)
の
小町
(
こまち
)
衣通
(
そとほり
)
ひめと
世間
(
せけん
)
に
出
(
だ
)
さぬも
道理
(
だうり
)
か
荒
(
あら
)
き
風
(
かぜ
)
に
當
(
あた
)
りもせばあの
柳腰
(
やなぎごし
)
なにとせんと
仇口
(
あだぐち
)
にさへ
噂
(
うはさ
)
し
連
(
つ
)
れて
五十
(
ごとう
)
稻荷
(
いなり
)
の
縁日
(
えんにち
)
に
後姿
(
うしろすがた
)
のみも
拜
(
はい
)
し
得
(
え
)
たる
若
(
わか
)
ものは
榮譽
(
えいよ
)
幸福
(
かうふく
)
上
(
うへ
)
やあらん
卒業
(
そつげふ
)
試驗
(
しけん
)
の
優等證
(
いうとうしよう
)
は
何
(
なん
)
のものかは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あるところに、
性質
(
せいしつ
)
の
異
(
ちが
)
った
姉妹
(
きょうだい
)
がありました。
同
(
おな
)
じ
母
(
はは
)
の
腹
(
はら
)
から
産
(
う
)
まれたとは、どうしても
考
(
かんが
)
えることができなかったほどであります。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
最初の形勢では容易に中川君
同胞
(
きょうだい
)
が承知しそうもなかったけれども案じるよりは
産
(
う
)
むが安く、今では向うの方がかえって
此方
(
こっち
)
より熱心だ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
最勝寺
(
さいしょうじ
)
の塔も忘れるであろう。
豚
(
ぶた
)
のように子供を
産
(
う
)
みつづけ——わたしは机の
抽斗
(
ひきだし
)
の奥へばたりとこの
文放古
(
ふみほご
)
を
抛
(
ほう
)
りこんだ。
文放古
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
……
産
(
う
)
むなよ、ひそかに水にして、
流産
(
なが
)
してくれよ……と、泣いていいふくめ、江戸のやしきより水戸の
三木仁兵衛
(
みきにへえ
)
が家に身を預けられたものじゃ
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わし
)
がきっと改心さして見せるから、まアそんなに心配しないがいいよ。なに世の中は案じるより
産
(
う
)
むが安いさ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お
品
(
しな
)
は
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
で
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
を
殺
(
ころ
)
したのである。お
品
(
しな
)
は十九の
暮
(
くれ
)
におつぎを
産
(
う
)
んでから
其
(
その
)
次
(
つぎ
)
の
年
(
とし
)
にも
亦
(
また
)
姙娠
(
にんしん
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
なんでも二度目か三度目の奥様に違いないので、あの三郎様やお嬢様の
産
(
う
)
みのお母さんではないのですね。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
若いくせに早くから二人も子供を
産
(
う
)
んだ男がいて、よく街の
銭湯
(
せんとう
)
で会うと、やっと二つか三つになった赤ん坊を流し場にならべ、楽しそうに
鼻唄
(
はなうた
)
をうたいながら
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
あんな可愛いお嬢さんにお育てなすったお手柄は、真砂町の
夫人
(
おくさん
)
だけれど、
産
(
う
)
……産んだのは私だよ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここを以ちてその
産
(
う
)
みませる御子に名づけて、
天
(
あま
)
つ
日高日子波限建鵜葺草葺合
(
ひこひこなぎさたけうがやふきあ
)
へずの命とまをす。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
その産はきわめて難産なりしが、或る者のいうには、
馬槽
(
うまふね
)
に水をたたえその中にて
産
(
う
)
まば安く産まるべしとのことにて、これを試みたれば果してその通りなりき。その子は手に
水掻
(
みずかき
)
あり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
産
常用漢字
小4
部首:⽣
11画
“産”を含む語句
財産
土産
御土産
産婆
流産
産土神
資産
産霊
産所
産業
生産
産出
出産
子産
産子
産土神様
土産物
手土産
産褥
産毛
...